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■不思議流 受けのヒント

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不思議流 受けのヒント
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スーパー将棋講座
不思議流 受けのヒント
[総合評価] B

難易度:★★★

図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)A
レイアウト:B
解説:A
読みやすさ:A
初級〜上級向き

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【著 者】 中村修
【出版社】 創元社
発行:2006年8月 ISBN:4-422-75107-7
定価:1,260円(5%税込) ページ/19cm


【本の内容】
第1章 序・中盤編 受けの基本は恐れないこと/玉を囲う/角頭を守る/ほか  
第2章 終盤編 一手前に受ける/安全に勝つ/安全な場所は?/ほか  
第3章 実戦編 安全に勝つ/犠打で手をかせぐ/勝ち将棋を勝つ/ほか  

◆内容紹介(表紙より)
「受け」というと受け一方のように思うが、じつは攻防の一手になっていることが多い。受けることが、すなわち攻めの第一歩だ。受けの一手によって、攻守が入れ替わる手筋満載。


【レビュー】
受けの手筋を解説した本。

中村は「不思議流」というニックネームの他に、「受ける青春」と呼ばれていたこともある。その“受けの達人”が出した受けの本が本書。

本書では、基本的に1テーマを見開き完結で解説(各章最後のテーマだけは3ページ)。すべて実戦図による解説で、部分図はない。第1章・第2章は受けの基本手筋中心で、第3章は中村の実戦がテーマとなる。

第1章冒頭の数テーマは「角頭をしっかり守る」「桂頭をしっかり守る」といった感じなので、「初級向けの本かな?」と思った。しかしその後は、だいたい初段を目指す人向けの解説になっている。第2章まで完全マスターできれば、受けに関しては立派な有段者と自信を持っていい。

第3章はプロの実戦図で結構難しく、有段者向き。明快な答えがある局面とは限らないし、中にはびっくりするような受け方もあるので、中村流の妙手を鑑賞すればいいと思う。丹念に受けて指し切らせる指し方はかなり参考になった。

全体的に読みやすくまとまっていると思う。ちょっと残念なのは、見開きの一番先頭に指し手が書かれていること。わたしとしては、盤面を見てあれこれ考えてから解説を読みたいのだが、どうしても目に入ってしまう。「本筋以外の手で脳を汚さない」という筆者の親心と思えば、あまり気にならないのかも‥‥。


受けをテーマにした棋書は非常に少ない。「アマは攻めは強いが受けが弱い」と言われるが、“受け本”の少なさが大きな要因のひとつだと思う。受けの楽しさを伝える本をもっともっと出してほしい。

欲を言えば、本書も2冊に分けて、「部分手筋編」「応用実戦編」とかでも良かったかと。1冊にまとめてしまったため、対象棋力の幅が広がりすぎ、逆にややまとまりに欠けてしまったようだ。(2007Jan12)



【関連書籍】

[ジャンル] 
受けの手筋
[シリーズ] 
スーパー将棋講座
[著者] 
中村修
[発行年] 
2006年

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