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■九段 芹沢博文の 猪突銀戦法

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猪突銀戦法
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王将ブックスDELUXE版
―C ハメ手シリーズ(5)
九段 芹沢博文の 猪突銀戦法
[総合評価] B

難易度:★★★

図面:見開き2枚
内容:(質)B(量)B
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
中級〜有段向き

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【著 者】 芹沢博文
【出版社】 北辰堂
発行:1988年3月 ISBN:4-89287-040-4
定価:800円 158ページ/19cm


【本の内容】
第1章 △7四銀戦法 (1)▲5六銀型急戦
 <1>▲7七桂には <2>▲2二角成△同銀▲7七桂には <3>▲4五銀には
(2)▲5六銀・2八飛型
(3)▲5六銀・5八金型
(4)▲4七銀型持久戦
96p
第2章 実戦譜 1局(第36年度A級順位戦 二上vs芹沢) 32p
第3章 ▲4六銀戦法   26p

◆内容紹介
将棋に強くなるには、得意の戦法を一つでも身につけることが大切です。しかし、先手番なら作戦の選択権がありますが、普通、後手からは積極的に動くことはできないといった、作戦上の不利があることはいなめません。そこで、後手でも作戦の主導権を握ることができるといった妙味ある戦法を紹介いたしましょう。


【レビュー】
鎖鎌銀 基本図相掛かり△鎖鎌銀戦法(△7四銀)の定跡書。タイトルは“猪突銀戦法”となっているが、現在では“鎖鎌銀”という呼称が一般的になっている。

鎖鎌銀戦法」は、数少ない後手番専用の戦法だ。“相掛かり腰掛銀”模様から、右図のように△7四銀とソッポに出て鎖鎌銀がスタートする(▲4七銀型の場合もある)。成立する条件は「相掛かり相腰掛銀模様+▲浮き飛車(2六飛)+△引き飛車(8二飛)」。さらに、端歩の兼ね合いで成立しない変化もあり、横歩取り△4五角戦法などに比べると、条件が非常に限定的なのが残念。しかし、超急戦あり、渋い作戦勝ち狙いありと、非常に魅力たっぷりの戦型だ。結論はまだ出ていないはずなので、守勢になりがちな相掛かり後手番での秘策として持っておくと面白い。

図面は見開き2枚と少ないが、解説が見開き完結で読みやすいので、図面の少なさはあまり気にならない。ただ、持久戦模様の解説が多く、この戦法の一番の魅力である超急戦型(第1章・(1)-<3>)が16pしかないのが残念。概略だけ知りたいなら『相掛かりガイド』(1988)を参照してもいい。もう少し知りたいと思ったら、本書をじっくり読んでみると良い。

なお、本書では先手番の作戦である「▲4六銀戦法」も少し解説されている。これは▲4六銀が“猪突銀戦法の一種”というわけではなく、“鎖鎌銀の天敵”としての解説だ。そのため、本文中では▲4六銀を上手く成功させる記述は少なく、鎖鎌銀志向の後手が▲4六銀を受け止める手段が主になっている。(2004Oct09)



【関連書籍】

[ジャンル] 
相掛かり
[シリーズ] 
王将ブックス
[著者] 
芹沢博文
[発行年] 
1988年

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