(ポケット版) zoom |
王将ブックス ポケット版 ─振飛車シリーズW 四間飛車戦法 |
[総合評価] B 難易度:★★★☆ 図面:見開き2枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級〜有段向き |
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【著 者】 北村昌男 | ||||
【出版社】 北辰堂 | ||||
発行:1966年 | ISBN:4-89287-019-6 | |||
定価:380円 | 158ページ/15cm |
(DELUXE版) zoom 将棋タウンさんthx! |
王将ブックスDELUXE版
―振飛車シリーズ(4) 四間飛車戦法 |
[総合評価] B 難易度:★★★☆ 図面:見開き2枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級〜有段向き |
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【著 者】 北村昌男 | ||||
【出版社】 北辰堂 | ||||
発行:1989年9月 | ISBN:4-89287-024-2 | |||
定価:800円 | 158ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||
◆内容紹介 |
【レビュー】 |
四間飛車の総合定跡書。 第1章は△四間飛車vs急戦。当時の考え方は「△3二銀型で待機するのが最善で、△4三銀型は仕掛けのチャンスを与える」というスタンス。なお、△3二銀型を破るために山田定跡が開発された。 (1)▲5筋位取りは、実は位取りだけでなく「右4六銀の変化」「5筋位取り(右銀)急戦型」「右5七銀+3八飛」の3つを解説。この頃にはすでに「5筋位取りに対して△4一飛型で待つ」という部分定跡ができあがっている。 (2)▲5七銀左戦法は、△3二銀のまま△6四歩△5四歩の両方を突いた形に対して、▲3五歩△同歩▲4六銀の仕掛けを実行。山田流の仕掛けと部分的に同じだが、この形は後手の反撃である△5四角も△6四角もなくなっているため、最も四間飛車側がやられやすい形で、現代の視点では“ぬるい”定跡。しかし5七銀左戦法の基本と威力を知るには分かりやすくてよい。 また、大山が出した新手(▲四間飛車への△7五歩の仕掛けに対して▲6七金!)や、△4三銀型に対する▲4五歩早仕掛けについても触れられている。早仕掛けについては、△5四歩〜△6四歩〜△7四歩〜△8四歩と高美濃にしない指し方。 (3)は棒銀狙いの▲3七銀に対し、すぐ△4五歩から角交換を挑んでしまう指し方。いわゆる「B級四間飛車」。 第2章は「相四間飛車戦法」とあるが、相振飛車ではなく、四間vs右四間。右四間側の囲いは舟囲いで、前半はオーソドックスな基本定跡。見どころは後半の実戦譜で、中原四段(!)が高勝率を上げたという「中原式」。右四間を警戒した▲7八金型四間飛車に対し、左銀を△3三銀〜△4四銀〜△5五銀と繰り出していく。近年の本では見かけたことのない指し方だ。右四間側の玉が薄いのが難点だが、攻めは厚く、現代なら目くらましとしても面白いだろう。 第3章の奇襲四間飛車は、単騎の玉頭銀。現代の玉頭銀は、▲4六歩と早仕掛けを見せられたときに△5四銀と出るのが正しいタイミングとされているが、本章では美濃囲いを組んだらすぐに△5四銀と出ていく。現在でもアマ低段までではよく見られる指し方で、案外厄介だ。本章では、玉頭銀破りとまではいかないが、正しい受け方も紹介されているので、単騎銀に悩まされている人は一読の価値あり。 第4章の「攻める四間飛車」は、『奇襲戦の極意』(米長邦雄,昭文社,1988)に載っていた江戸時代の角交換四間飛車と同じ。「棋聖天野宗歩が実戦で試みたもの」(p131)だそうだ。玉が薄いので大変だが、攻め筋が分かりやすいのが魅力。見た目と違ってじっくり押し込んでいく将棋になるので、居飛車党タイプの人には向いているかも。 急戦定跡の基本変化については、定跡も進化しているのであまり鵜呑みにしない方がよいが、基本的な部分は押さえられている。また、第1章(3)、第2章後半、第3章、第4章は現代の定跡書ではほとんど見かけない指し方が解説されているので、読んでいて結構面白かった。普通の四間飛車に飽きた人や、対四間飛車で定跡外の指し方をしてみたい人にオススメ。(2010Jul20) ※誤植・誤字(ポケット版4版で確認): かなり多いのでCにしようかと迷いました。 p49 ×「▲4二成銀、同金、2八飛で」 ○「▲4二成銀、同金、2二飛で」 p70 ×「▲2七飛と受けるのは」 ○「▲2六飛と受けるのは」 p83 ×「変化4図で、先手▲1一竜は…」 ○「変化5図で、先手▲1一竜は…」 p83 ×「▲5一金寄とし…」 ○「▲5九金寄とし…」 p88 ×「先手の攻めは一応成功」 ○「後手の攻めは一応成功」 p94 ×「1七金、3九角、」 ○「1七金、同香、3九角、」 p94 ×「▲4八金の合駒は」 ○「▲4七金打の合駒は」 p109 ×「第9図以下の指し手」 [下]の字が上下反転している。活字の入れ間違い? p113 ×「△4五歩のところで△5四銀と変化…この△5四銀の手法で…」 ○「△4五歩のところで△5六銀と変化…この△5六銀の手法で…」 なお、「互格」(ごかく)という表現が頻繁に出てくるが、これは一応正しい言い方。一般的には「互角」。 「切角」(せっかく)もp77、p93に出てくるが、当て字として存在する言い方らしい。本来の表記は「折角」。 |