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■直感精読 加藤一二三の詰将棋(マイナビ将棋文庫)

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直感精読 加藤一二三の詰将棋(マイナビ将棋文庫)
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マイナビ将棋文庫
直感精読 加藤一二三の詰将棋
[総合評価]
A

難易度:★★★☆
   〜★★★★

見開き1問
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
解説:B+〜C
解答の裏透け:A
有段向き

この本をAmazonで見る

【著 者】 加藤一二三
【出版社】 マイナビ出版
発行:2019年10月 ISBN:978-4-8399-7104-5
定価:1,474円(10%税込) 416ページ/15cm


【本の内容】
第1章 7手詰め PART1
第2章 7手詰め PART2
第3章 7手詰め PART3
第4章 7手詰め PART4
第5章 9手詰め PART1
第6章 9手詰め PART2
第7章 9手詰め PART3
第8章 9手詰め PART4
第9章 11手詰め
第10章 13手詰め

・【コラム】(1)十段獲得 (2)順位戦 (3)王将獲得 (4)ルルド (5)聖地巡礼 (6)名人獲得 (7)クラシック音楽 (8)私が主役のNHKテレビ番組 (9)ひふみんアイ (10)「幸福の一手」

◆内容紹介
「19歳〜79歳の現在に至るまで、JAグループ一般家庭向け月刊誌『家の光』にて詰将棋連載を持たせていただいております。2019年秋には連載開始丸60周年を迎えます。ギネス級記録ではないかと密かに誇りに思っております」(加藤一二三九段Twitterより)

本書は月刊誌『家の光』で加藤一二三九段が19歳から79歳まで、60年にわたって連載された詰将棋を書籍化したものです。

19歳といえば加藤九段はA級のトップ棋士。対局の忙しい合間を縫って毎月詰将棋の出題を続けて来られました。十段になっても名人になっても70歳を過ぎても、欠かさずに60年間続けられたことは大変な偉業であり、加藤九段の「継続する力」に改めて感嘆いたします。

本書はトップ棋士による詰将棋問題集であるとともに、加藤九段の人間としての強い信念も感じられる一冊です。


【レビュー】
7手詰〜17手詰の詰将棋問題集。家庭雑誌『家の光』(外部リンク)に1959年(!)9月号から連載された詰将棋のうち、7手詰〜17手詰をまとめて書籍化したもの。


〔問題の傾向〕
・問題図には、ヒントが1〜2行。ヒントを見た場合は難易度がグッと下がる。どれくらい下がるかというと、わたしでも7手詰が1分以内でだいたい解けてしまうくらい(笑)。ヒントはページの下段にあるので、「ヒントなど要らぬ!」という人は隠してください。スマホだとちょうど親指で隠せる感じです。

・手数は各章タイトルで分かる。ただし、第10章は「13手詰め」となっているが、第188問は17手詰、第201〜203問は15手詰。13手詰だと思っていると泥沼にはまるので要注意。

・解説は80〜120字程度と図面2枚で、まずまずの詳しさ。ただし、第3章〜第5章はなぜか解説文が短い(20〜40字程度)ものが多い。

・解いてみた印象では、手数ごとの難易度が10段階だとした場合、Lv.4〜6で標準的なものが多かった。比較的近接型で、詰め上がりに安心感があるものが多い。

・問題が各章で20問ずつ(第10章のみ23問)分かれているが、特に難易度やテーマで分けられている訳ではなさそう。どういう分け方なのかは不明だった。

・打歩詰め打開は計13問(全体の6.4%)。だいたい各章にあり、0〜3問ずつ散りばめられている。ヒントに打歩詰めが発生する旨が書かれている。

・邪魔駒消去が結構多い印象。



〔実際に解いてみた〕
なお、わたしの「詰め棋力」は、甘く見積もって三段、厳しく見れば初段くらいです。(指し将棋全体の棋力よりもかなり劣ります(汗))

直前に解いていた詰将棋本は『3手詰修了検定』。難しめの3手詰と、本書とほぼ同じ7手〜23手の3x3マス詰将棋を含んだ本でした。

解いてみた結果はこんな感じ↓。

難易度的には、ちょっとずつ難しくなっている…のだろうか?

第1章(7手詰)はかなり調子よく解けており、第2章〜第4章(7手詰)はおおむね同じ難易度っぽい。第5章〜第8章の9手詰は、第5章・第8章はまずまずで、中盤の第6章・第7章は苦戦気味。最後の第10章(13手詰〜17手詰)は9手詰編の平均程度なので、9手詰以降はさほど難易度が変わっていないっぽいです。

というわけで、「どんどん難易度が上がって苦しくなる」ということはなく、「一つ解けなくても、次また頑張ろう」と思えるような問題集でした。



〔総評〕
問題数は203問と多めで、難易度も今のわたしにとってちょうど良く、個人的には大満足の一冊でした。

ただし、詰将棋本は全然歯が立たないとまったく面白くありません。電子版の無料サンプルが第18問まで見られますし、Amazonの紹介イメージでも第3問まで見られます。サンプルがサクサク解けた方にはオススメです。

(2019Dec14)


※誤字・誤植等(初版第1刷・電子版ver.1.00で確認):
p10 ×「同竜と読んで」 ○「同竜と呼んで」
p286 ×「2四飛成」 ○「2四竜」(すでに成っている)



【関連書籍】

[ジャンル] 詰将棋
[シリーズ] マイナビ将棋文庫
[著者] 加藤一二三
[発行年] 2019年

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