zoom |
将棋連盟文庫 羽生の頭脳(2) 振り飛車破り |
[総合評価] B 難易度:★★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)A レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 上級〜有段向き |
||
【著 者】 羽生善治 | ||||
【出版社】 毎日コミュニケーションズ | ||||
発行:2010年5月 | ISBN:978-4-8399-3553-5 | |||
定価:1,155円(5%税込) | 448ページ/16cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
◆内容紹介 |
【レビュー】 |
三間飛車vs急戦、ツノ銀中飛車vs急戦、振飛車vs左美濃・居飛車穴熊の定跡書。 ==(以下、しばらく『羽生の頭脳(1) 四間飛車破り(文庫版)』とほぼ同じです== 「羽生の頭脳」全10巻(1992〜1994)は、トップ棋士が書いた定跡書シリーズの金字塔である。代表的な戦型を網羅し、都合の良い変化を排除して公平に検討した。そのため、定跡が進化しても「基本は『羽生の頭脳』で覚えられる」とされ、異例のロングセラーを記録している。 本書は、シリーズの第3巻「急戦、中飛車・三間飛車破り」と第4巻「左美濃と居飛車穴熊」を合本し、文庫化したものである。 基本的に内容はオリジナル版とまったく同じ。右図のように前半がオリジナル3巻、後半がオリジナル4巻の内容になっている。2冊をそのまま貼り合せたような構成になっていて、4巻部分の目次は本体の真ん中にある。 変化した点はわずかで、以下の2つくらい。 (1)文庫化に合わせてフォントサイズ、盤面図が小さくなっている (2)文庫化用のまえがきの追加 ==(ここまで)== 正直いって、この巻の有用性は微妙である。三間飛車vs急戦は使えるが、基本として覚えるには複雑で難しい。ツノ銀中飛車はほぼ絶滅状態。左美濃・居飛車穴熊は、藤井システム以降(1990年代後半以降)は組み方が完全に変わっている。本書をそのまま踏襲すれば、痛い目に遭う可能性が高い。 また、文庫版第1巻は四間飛車vs急戦を先手・後手まとめて一冊に収めているところに価値があったのに対し、本書は特に統一性がなく、やや雑多な感じになっていると思う。 良書は良書だが、オリジナル版も比較的安価で手に入るし、コンプリート目的でなければ無理に揃えなくてもいいかも。(2010Jun15) |