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東大将棋ブックス 石田流道場 |
[総合評価] B 難易度:★★★★☆ 図面:見開き6枚 内容:(質)B(量)A レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:B 有段者向き |
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【著 者】 所司和晴 | ||||
【出版社】 毎日コミュニケーションズ | ||||
発行:2004年12月 | ISBN:4-8399-1640-3 | |||
定価:1,365(5%税込) | 224ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||
◆内容紹介(MYCOMホームページより) |
【レビュー】 |
▲石田流の定跡書。「東大将棋ブックスシリーズ」の最終巻。 本書はさまざまな石田流対策の中から、プロの実戦が多い4手目△6二銀、△4二玉、△8四歩を解説。第1章〜第3章は、先手が角道を止めずに突っ張った場合で、升田式石田流や乱戦になる変化を解説。第4章は、先手が角道を止めて石田流本組を作ったときの、代表的な戦いを解説している。 鈴木新手(第3章-第2節)については「若干無理気味」とある。が、この変化はさすがに1ヵ月後に本人が出した『決定版 石田流新定跡』の方が正しく局面を理解しているようだ。本書は、中盤の複雑な戦いの例に多くのページ数が割かれているが、序盤の重要な変化手順をスルーしている。 4手目△4二玉乱戦(第2章)も、他書(『島ノート』や『力戦!スーパー振り飛車』など)でかなり有力と見られている手を簡単にスルーしているのはちょっと期待はずれだった。例えば第2章・△4二玉型の急戦で、▲5八玉/▲6八金や、△3二銀/△3二金のどちらを選ぶかはなかなか難しいはず。ただ、△9二飛や△6四歩の対策は今まで見たことがなかったので参考になった。 一方、持久戦の解説は個人的にはまずまず満足。この通りに進むことはまずないだろうが、石田流の持久戦ならではの手筋が多く出てくるのがいい。 「ついに石田流の完全版ができたか!」と期待が大きすぎたせいか、「東大ブックスの割には物足りない…」というのが正直な感想。今までのシリーズのように辞書的に使うのではなく、参考資料のような感じ。ただ、石田流の中でも比較的メジャーな戦いについてはカバーされているので、一応及第点だと思う。(2007Jul28) |