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島ノート 振り飛車編 | [総合評価] S 難易度:★★★★ 〜★★★★☆ 図面:見開き4枚 内容:(質)S(量)S レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 上級〜有段向き |
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【著 者】 島朗 | ||||
【出版社】 講談社 | ||||
発行:2002年12月 | ISBN:4-06-211633-2 | |||
定価:1,800円 | 478ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||
※(質問x.x)は、読者の質問に著者が答えた「島八段が答える『次の一手』」へのリンクです。
◆内容紹介 |
【レビュー】 |
変則的な振飛車の解説書。 島八段といえば、本格居飛車党…だと思っていた。ところが、その島八段が本格的な振飛車の本を出してきた。しかもオーソドックスな振飛車ではなく、かなり変則的な振飛車ばかりを集めた本である。変則とはいっても「一回は通用する」というものではなく、「これは面白い!」「これは使える!」というものがてんこ盛りである。 本書の大きな特徴は、解説を[基本]と[応用]に分けたこと。[基本]は、「基本的な狙い筋」と「自然に指したらこう進むだろう」という進行を解説したもの。[応用]は、「[基本]の内容を知った上で、対策を研究したらこうなる」というもの。もちろん、本書に載っている戦法は、[応用]で潰されているわけではなく、ほぼ互角の戦いになる。[応用]が難しければ[基本]だけ読んでいけばいいし、探究心豊かな人は[応用]もじっくり読めばよいだろう。一応、[基本]でも『羽生の頭脳』レベルの難度があるので、級位者には厳しいかもしれない。 個人的にツボだったのは、「3・4・3戦法」。石田流の一バージョンで、戦法というより序盤の手筋のようなものであるが、これのおかげで△石田流の制限がかなり緩和された。また、「中田功XP」は“藤井システムの三間飛車版”のようなもので、当時かなり話題になった(のちに本家・中田功七段が『コーヤン流三間飛車の極意 持久戦編』で解説している)。他にもゴキゲン中飛車や藤井システムの最先端の変化、他の定跡書にはあまり載っていない戦法が満載である。 本書の戦法は、5年経った現在でもあまり古さを感じない(高段者的には古いのだろうけど)。実戦で相手が変な振飛車をやってきたとき、それはひょっとしたら本書に載っているかもしれない。必ず目を通しておいてほしい一冊である。 この質・量・読みやすさを一冊に凝縮し、しかも定価1800円というのは現在でも奇跡的に感じる。総合評価「S」以上の「EX」を新設しようかと思ったくらいだ。 ところで、本書では(おそらく)初めて「棋書とWEBとのコラボレート」が行われた。挟まれているアンケートはがきに質問を書いて送ると、著者がWEB上で答えてくれるというもの(※募集は終わっています)。質問の内容もなかなかハイレベルで、本書の内容を補足するもの、また覆したりするものもあった。上の【本の内容】に質問と回答へのリンクを貼っておいたので、参照してほしい。なお、このリンク先はいつ消滅するかわからないので、できれば印刷して挟んでおくとよい。(棋書ファンRocky-and-Hopperからのお願い:棋書に書き込みはしないでくださいね) |
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