zoom |
日本将棋用語事典 | [総合評価] A 難易度:----- 図面:- 内容:(質)A(量)A レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:B 中級〜向き 愛棋家必携 |
||
【編集委員】 森内俊之,佐藤康光,島朗,池畑成功,荒木一郎 【編集協力】 中原誠,米長邦雄,羽生善治 【監修】 原田泰夫 【プロデュース】 荒木一郎 |
||||
【出版社】 東京堂出版 | ||||
発行:2004年12月 | ISBN:4-490-10660-2 | |||
定価:2,520円(5%税込) | 212ページ/21cm |
【本の内容】 | ||||||||||||
・上段2/3=用語辞書、索引つき ・下段1/3=【インタビュー】名棋士の談話室
・【棋戦歴代優勝者一覧】竜王戦/名人戦/棋聖戦/王位戦/王座戦/棋王戦/王将戦 |
【レビュー】 |
文字通りの“将棋用語事典”。なぜ「日本」と付いているのかは不明。 不思議なことに、これまで将棋用語事典はなかった。入門書には用語の説明があるが、もちろん大した量ではない。『将棋ガイドブック』(日本将棋連盟,2003)では用語解説と雑学あわせて70pくらいがあったが、「一冊丸ごと将棋用語事典」は本書がはじめて。 まずは、凡例を引用しておく。これを見れば、おおよその内容は分かると思う。 【凡例】 一、本事典では、将棋界でよく使われる将棋用語約940語(見よ項目含む)を精選し、収録した。 一、本事典の見出し語の配列は五十音順とした。 一、本事典に記した棋士の段級位やタイトルは、平成16年11月末日現在のものである。 一、解説の補助として適宜、図面を掲載した。 一、(業)は業界用語を表す。 一、(現)は現役棋士(アマチュア含む)が考案または多用している戦法や戦型などを表す。 一、(格)は格言を表す。 一、棋戦などの通称は「見よ項目」として正式名称を示し、そちらに解説を施した。 一、「名棋士の談話室」は、中原誠、米長邦雄、島朗、佐藤康光、森内俊之、羽生善治の六棋士への将棋用語に関するインタビューを掲載した。 注目は「業界用語」。一般的な将棋用語とはちょっと違う、プロ棋士の間で使われている業界用語を解説。誰がメインで書いたのかは分からないが、他の用語解説よりも面白いので、また一例を挙げておこう。 激辛(業)【激辛】 終盤に非常に勝負にこだわった厳しい手を指すこと。またその人。森内俊之名人、藤井猛九段、丸山忠久九段の三人は激辛流と呼ばれている。島朗八段がこの三人を称して「激辛三兄弟」と呼んだ。ただ、森内名人と丸山九段はこの名称をあまり気に入っていなかったようだ。また藤井九段は激辛ではなく、常に決着を付けに行く非常に男らしい将棋で、激辛の定義は適切ではなかったと命名者も反省している。森下卓九段によれば、実は一番辛いのは羽生善治王座とのことである。 「命名者も反省している」ってどんな用語解説だ(笑) また、トップ棋士のインタビューも充実。見出し語と連動していて、かなり読み応えがある。 「よくこれだけ集めたな」というくらいの量だが、不満点もいくつかある。列挙しておくと、 有段者でも、いまさら人に訊けない将棋用語があるはず。そんなとき、こっそり本書をめくってみましょう。(2005Mar12) |