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マンガでおぼえる棒銀戦法 この本を読めば、友だちに勝てる! |
[総合評価] B 難易度:★〜★☆ 図面:すべてマンガ 内容:(質)A(量)C レイアウト:A (ルビ付き) 解説:A 読みやすさ:S 初心〜初級向き |
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【原 作】 高橋道雄 【マンガ】 藤井ひろし | ||||
【出版社】 創元社 | ||||
発行:2011年6月 | ISBN:978-4-422-75151-1 | |||
定価:1,050円(5%税込) | 128ページ/21cm |
【本の内容】 |
プロローグ=4p 原始棒銀の指し方=40p 感想戦@ 原始棒銀の好手や手筋=63p 感想戦A 原始棒銀への対処法=12p エピローグ=2p ◆内容紹介 駒の動かし方をおぼえたばかりの将棋初心者がまずマスターしたいのが棒銀戦法。本書は、棒銀の中でも指し方がもっともわかりやすく、単純ながら威力抜群の「原始棒銀」をとりあげ、らくにマスターできるようにまとめたマンガ本です。気楽にマンガを読んでいけば、むずかしい解説抜きで原始棒銀の基本と変化をかんたんにおぼえることができます。 将棋をおぼえたばかりの子どもたちも、この一冊があれば友だちに勝てる! |
【レビュー】 |
相掛かり▲原始棒銀の入門解説書。 原始棒銀は、もっとも基本的な攻めの形の一つである。相掛かり自体が上級者向けの戦法(特に後手番を持つ人が少ない)のため、実際には原始棒銀を使える機会は少ないのだが、攻めの手筋や考え方を端的に学ぶには絶好の素材である。 裏表紙に「『マンガ版 将棋入門』を読んだら、次はこの本!」と書いてあるように、本書は入門書の次に読む本である。「形だけを覚えるのではなく、考え方を理解する」ことが本書の基本方針となっている。 本書が他書と大きく違うのは、全編にわたって符号(「▲7六歩」など)を使わずに、1手1手をマンガで図示しているところ。符号を使っているのは、冒頭p4で「マンガで紹介している棋譜」を初手から投了まで掲載している1ページのみである。 また、活字の図面(字だけで駒を表記する一般的なもの)も使っていない。マンガ図は、自分(先手)が盤の前に座って見ているような視点になっている〔右図〕。 普通は、いかに初心者向けの棋書であっても、符号を使って解説していくのは当たり前。しかし、初心者には符号を正しく追うだけで大変な労力なのである。この時点で「将棋を本で学ぶこと」を諦めた人もいるだろう。本書は、そういう「棋譜を読むのがつらくて本を読まない人」にもバッチリ対応している。 各章の内容を簡単に紹介していこう。 第1部「原始棒銀の指し方」は、相掛かり▲原始棒銀の初手から投了まで。ザックリとした解説で、とにかく投了図までを追う。 第2部「感想戦@」は、第1部の手順を追いながら、より詳しい解説や変化の検討を行っていく。特に最後の詰めで、いくつもの勝ち方を丁寧に解説していくところは目を引く。 〔第1部・第2部で学べる手筋〕 飛車先の歩交換/合わせ歩/棒銀で敵陣突破/垂れ歩/成銀を引く/継ぎ歩/タタキの歩/と金作り/飛車切り 第3部「感想戦A」は、原始棒銀の受け方と、正しく受けられたときの先手の方針を紹介。 本書全体では、1つの棋譜だけを徹底的に解説している。もちろん、この棋譜は解説用に作られたものであり、後手がいくつかの緩手を指しているが、「考え方重視」なので問題ない。 絵も好感が持てる感じで、構成も良し。テンポよく読んでいける。どんなに活字本が苦手な人でも、本書なら読めるだろうと思う。もちろん、子ども向けにも良い。 量が多くないのでBとしておくが、「ルールを覚えた後の1冊目」または「入門書のあとの2冊目」にズバリ一致する人なら間違いなくAである。 ※p125の「月日は流れた」の絵に思わず爆笑してしまいました。まさかここでネタを持ってくるとは。 |