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久保利明の振り飛車の手筋(1) さばきの四間飛車・急戦編 対棒銀を含めた急戦対策をさばきのアーティストが徹底講義! |
[総合評価] B 難易度:★★★★ 見開き1問 内容:(質)A(量)A レイアウト:A 解答の裏透け:C 解説:B 上級〜有段向き |
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【著 者】 久保利明 | ||||
【出版社】 山海堂 | ||||
発行:2007年10月 | ISBN:978-4-381-02324-7 | |||
定価:1,365円(5%税込) | 320ページ/21cm |
【本の内容】 | ||||||||
・次の一手問題=150問
◆内容紹介 |
【レビュー】 |
四間飛車vs居飛車急戦の次の一手問題集。 次の一手問題形式で、四間飛車の捌く感覚を学べるようになっている。『四間飛車を指しこなす本(1)』を意識した作りだが、扱っている戦型がかなり違う。 本書の基本図は、下図の通り。 第1章は▲四間飛車vs△居飛車5三銀左急戦で、居飛車の仕掛けから中盤の戦い方を解説していく。基本的にこの章はほぼ定跡講座で、『四間飛車を指しこなす本(1)』によく似た雰囲気だ。難易度も同じくらいで、第1章は中級者でも読める。 定跡研究家が注目すべきは、第26問からの△左6四銀の変化。『四間飛車を指しこなす本(1)』問67や、『四間飛車道場 第三巻 左4六銀』p205などで「▲4六角〜▲5七角で先手良し」とされた局面が出てくるが(若干の形の違いはあるがこの筋には無関係)、「▲5七角は以前の定跡で成立しない」とのこと。もちろん、修正手順は第27問の解説中にちゃんと書かれている。 第2章は△四間飛車vs▲居飛車5七銀左急戦で、先後が変わっただけのようだが、ガラッと構成が変わる。居飛車の仕掛けから解説していくのは同じだが、第1章では中盤の分れで解説を打ち切っていたのに対し、第2章では終盤の決め手まで出題する。おそらく久保の実戦を題材にしており、「“振飛車の手筋”の解説」というよりは「仕掛けから振飛車が勝つまでの実戦解説」となっている。第1章に比べてかなり難しくなっており、有段者向けだ。 戦型は対棒銀が多いが、最後のほうではやや特殊な居飛車の仕掛けもある。 第1章・第2章とも、最初は「飛車先を伸ばされたら▲7七角で受ける」など初級者向けに見えるが、全体としては上級者〜有段者向けだと思う。姉妹シリーズの『佐藤康光の居飛車の手筋』よりも少し難しいと感じた。 わたしはなかなか手が当たらなくて参りました。まだまだ四間飛車は指しこなせそうにないなぁ…(2008Mar15) ※既報の通り、2007年12月に発行元の山海堂が倒産。本書が最後の棋書となった。本書の続編が出ないのは残念。また、書店が持っている在庫が切れたら新本入手はできなくなるので、ご注意を。 ※『佐藤康光の居飛車の手筋』と姉妹シリーズであるが、本書は「ですます調」ではなく「である調」。 |
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