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超初心者 将棋上達の方程式 | [総合評価] B 難易度:★ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 超初心者向き |
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【著 者】 日本将棋連盟書籍 | ||||
【出版社】 日本将棋連盟 | ||||
発行:2007年11月 | ISBN:978-4-8197-0081-8 | |||
定価:1,050円(5%税込) | 223ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
・【コラム「将棋雑学」】(1)将棋の駒の材質と書体 (2)将棋盤の材質と星の意味 |
【レビュー】 |
超初心者向けの将棋入門書。 よくある入門書では、将棋のルールを解説したあと、簡単な手筋や戦法の解説が始まる(四間飛車や棒銀が多い)。しかし、“超初心者”では駒の動かし方もあやふやだし、棋譜についていけないというケースも多い。 本書では、「駒の動かし方を完全にマスターすること」がメインテーマになっている。 第1章で駒の動かし方と基本ルールを説明するのは従来本と同じだが、第2章で「詰み」の概念について丁寧に解説。そして第3章で、1手詰を解くことで「駒の動き」、「駒の連携」、「詰み形」を徹底的にマスターする。ここでの1手詰は96問あるが、駒の動かし方を覚えたばかりの超初心者でもなんとか解けるレベルのものばかりだ。がんばって96問を解き終えたころには、駒の動きを間違えることはなくなるだろう。 第4章は十枚落ちで、初手から終局(詰み)までの棋譜を追っていく。これで「敵陣を破り、駒をパワーアップさせ、玉を追い詰める」という将棋の流れと、連続した棋譜の練習をする。また、棋譜については第7章で補助表記の説明があるので、これをマスターすれば新聞の掲載棋譜も並べることができるはずだ。 第5章は駒の損得の話。第6章は反則や引き分け規定などの少し細かいルールの補足となっている。 本書を読み終えた時点では、「駒の動きを完全にマスターできて、詰みが分かって(詰んだ時点でウンウン考えるレベルではない)、棋譜の通りに並べられる」というレベルなので、実際に40枚の駒を並べて平手で指そうとしたら固まってしまうかもしれない。でも、それでOK。超初心者同士では、ルールどおりに指せることと、ちゃんと終局できることが一番大事なのだから。 なお、裏表紙のウリ文句に「文字が大きく漢字にはふりがなもあり、孫やこどもの指導本としても使えます」とあるが、文字は特に大きくない(普通の有段者向けの棋書と同じくらい)。ふりがなが全ての漢字に振ってあるは○だが、表現や熟語は大人向き(中学レベル以上)なので、狙っている年齢層はよく分からない。また、目次や章のタイトルにふりがなが無いのは画竜点睛を欠いた。 この本が一番必要なのは、「自分は将棋を知らないが、こどもたちに将棋を教えたい小学校の先生」なのかもしれない。(2008Mar19) |