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中原誠の3度将棋が強くなるシリーズ 急戦腰掛銀 〔3度〕将棋が強くなる |
[総合評価] C 難易度:★★★ 図面:見開き2枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 中級〜上級向き |
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【著 者】 中原誠 | ||||
【出版社】 大泉書店 | ||||
発行:1987年9月 | ISBN:4-278-08118-9 | |||
定価:650円 | 216ページ/18cm |
【本の内容】 | ||||||||
・早技「急戦腰掛銀」の勝ち方
・急戦腰掛銀の『次の一手』=19問 |
【レビュー】 |
相掛かり腰掛銀系の解説書。 本シリーズでは、上段(2/3くらい)で戦法を解説し、節目の局面では次の一手問題が出題される。解答は三択で、出題ペースは約10ページに1問の割合。読者が考えるので読んでいて飽きにくく、急所の変化を理解しやすくなっている。 また、下段(1/3くらい)では問題集で、今回は「実戦詰め手筋」。“詰将棋”ではないので、駒が余っても良い。姉妹書の『急戦矢倉』よりも少し難度が高め。解説はあっさりしているので、疑問点があればとことん考えよう。“詰将棋”よりも実戦の詰め力は上がるはずだ。 今回の戦法解説部は、実質的に実戦4局で、初手から投了までになっている。第1部は「相掛かり+相腰掛銀+相浮き飛車」型。また、第2部は「後手が腰掛銀にせずに、△7四銀と変化する」型。似たような戦型で、▲5六銀に△7四銀と出る「鎖鎌銀」(『猪突銀戦法』(芹沢博文,北辰堂,1988)参照)があるが、基本的に別物。本書のものは「角道を開けず、▲4七銀型のときに△7四銀」とする。後手が一旦主導権を握るが、鎖鎌銀のような大乱戦にはならず、押したり引いたりの応酬が展開される。他書にはあまり載っておらず、研究よりも力とテクニックの差が出やすいので、秘密兵器として持っておくのも面白い。 解説は丁寧で詳しいが、実戦解説4局のみというのは少なすぎ。実戦で中盤以降も同じ展開になることはまず考えられないので、定跡書としてはほとんど使えない。感覚を学ぶにはなかなか良いので、余裕があれば参考程度に読むとよいだろう。(2005Jan20) |