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§1. 3手目7五歩とは?

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初手から
 ▲7六歩 △3四歩
 ▲7五歩  (左図)


角道を開けたまま、▲7五歩と突き、3手目にして作戦を明示する──これが「3手目▲7五歩」です。一般に「石田流」と呼ばれていますが、展開によっては石田流から外れることもあります。

石田流は、江戸時代に石田検校(いしだけんぎょう)が開発したと言われています。昔はハメ手の類だと烙印を押され、プロは誰も指さなかったのですが、第30期名人戦(1971)に升田幸三九段が採用して以来、大ブームになりました。その後、一時下火になりましたが、アマでは猛威を振るいつづけています。プロでも、立石流やゴキゲン中飛車の流行で力戦振飛車が見直され、鈴木大介八段などがよく指しています。


さて、「3手目▲7五歩」に対し、後手は4手目をどう指したらいいでしょうか。ルール上着手可能な手は39通り。列挙すると、

  ・歩を動かす 9通り (△9四歩、△8四歩、……、△3五歩、△2四歩、△1四歩)
  ・香  〃  2通り (△9二香、△1二香)
  ・桂  〃  1通り (△3三桂)
  ・銀  〃  4通り (△7二銀、△6二銀、△4二銀、△3二銀)
  ・金  〃  6通り (△7二金、△6二金、△5二金右、△5二金左、△4二金、△3二金)
  ・角  〃  8通り (△3三角、△4四角、……、△8八角成+不成2通り)
  ・飛  〃  6通り (△9二飛、△7二飛、……、△3二飛)
  ・玉  〃  3通り (△6二玉、△5二玉、△4二玉)
  ───────────
       計 39通り


このうち角がタダになってしまう手が6通りあるので、実質は33通りになります。その中でも、損な手、良さを求める手、危険な手、無難な手など、いろいろな性質を持っています。

本講座では、「3手目▲7五歩に対する4手目」を検討しています。定跡書に載っている変化も参考にしつつ、「実戦的にはどうなのか」というところに重点を置きました。解説は級位者向けですが、有段者でも少しは参考になるかと思います(^-^;A

傾向の分析には『将棋倶楽部24万局集』をフル活用しています。ある4手目の採用率、棋力による傾向の差をお楽しみください。

なお、後半では「4手目△3五歩に対する5手目」も検討します。先後の違いで、どのように傾向と対策が変わるのかが面白いところです。


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