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■魚釣り戦法右四間飛車

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(ポケット版)
魚釣り戦法右四間飛車(ポケット版)
zoom
王将ブックス ポケット版
特殊戦法シリーズV
魚釣り戦法右四間飛車
[総合評価] B

難易度:★★★☆

図面:見開き2枚
内容:(質)B(量)B
レイアウト:A
解説:B
読みやすさ:A
中級〜上級向き

【著 者】 佐藤大五郎
【出版社】 北辰堂
発行:1974年6月 0376-66024-7731
定価:380円 158ページ/15cm
(DELUXE版)
魚釣り戦法右四間飛車
zoom
将棋タウンさんthx!
王将ブックス DELUXE版
E 特殊戦法シリーズ(3)
魚釣り戦法右四間飛車
[総合評価] B

難易度:★★★☆

図面:見開き2枚
内容:(質)B(量)B
レイアウト:A
解説:B
読みやすさ:A
中級〜上級向き

【著 者】 佐藤大五郎
【出版社】 北辰堂
発行:1987年3月 ISBN:4-89287-068-4
定価:800円 158ページ/19cm


【本の内容】
第1章 魚釣り戦法
(△四間飛車vs▲右四間飛車)
(1)基本定跡
(2)裏定跡(△3二銀待機)
(3)裏定跡撃破法(持久戦策)
26p
第2章 一般振飛車 (1)ツノ銀中飛車撃破法
(2)△5三銀型振飛車(大野流)撃破法
(3)向飛車撃破法
34p
第3章 変則戦法 (1)対矢倉模様
(2)対雁木模様
22p
第4章 矢倉戦法 (1)千日手定跡
(2)新旧対抗型
(3)位取り急戦矢倉
(4)三手角作戦1.位取り対抗法
(5)三手角作戦2.急戦対抗法
(6)天王山△3三角戦法
60p
第5章 腰掛銀戦法
(角換わり相腰掛銀)
・升田定跡 12p

◆内容紹介
右四間飛車は居飛車を二つ左に振るもので積極的な攻め方です。融通性に富んでおり、対振飛車・対居飛車のいずれにでも登場し、強大な破壊力を見せてくれます。


【レビュー】
右四間飛車戦法の解説書。

もう少し正確に言うと、本書は「右四間飛車戦法の解説書」ではなく、「右四間(先手なら4筋)に飛を振って戦う指し方の解説書」である。序盤から右四間に構える戦法だけでなく、持久戦調の駒組みから右四間に構え直すもの、相手の位取りにカウンターをかける形で右四間になるものなど、最初から狙ってできるものではない指し方も解説されている。

この形が「魚釣り」第1章は、△四間飛車vs▲右四間飛車(腰掛銀)+舟囲い。一番オーソドックスな形であるが、本書では後手の「△3三角からいきなり△4五歩」を警戒して「▲4六歩よりも▲3六歩〜▲3七桂を急げ」となっている。現代的な組み方ではないが、「いきなり△4五歩」が嫌なら一理あるところ。

また本章の「裏定跡」は、後手が「△6二銀型早囲い+△3二銀+△4一飛」で待機するというもの〔右図〕。「魚釣り戦法は四間飛車破りというよりも、むしろ四間飛車の秘法でしょう。」(p30)とあるので、この裏定跡の形が「魚釣り」らしい。つまり、「魚釣り戦法・右四間飛車」ではなく、「魚釣り戦法vs右四間飛車」である。何がどう“魚釣り”なのかよく分からないが……(有名な「魚釣りの歩」とは関係ないようだ)。

ただ、この指し方は先手が銀冠や居飛穴など堅く組むと、後手が完全に作戦負けしそう。居飛車が堅く囲う発想に乏しい時代ならではの指し方だと思う。「右四間+舟囲い」一本槍の人にならぶつけてみるのも面白い。

第2章は、居飛車vs振飛車全般において、居飛車が序盤で▲5六歩と突いて持久戦になった場合の打開方法。「(1)▲6六歩と角道を止める→(2)▲4九飛から4筋の歩を切る→(3)∴攻め味に困らない」というのが基本的な考え方。矢倉△6二飛戦法と似た発想があり、場合によっては使えそう。戦法ではなく、大きな手筋・手法として覚えておくとよい。

第2章(3)はちょっと違っていて、△急戦向飛車を腰掛銀で破るというもの。ただし先手は▲2六歩型であり、これに対して後手が急戦向飛車に出ることがあるだろうか?まぁ、「なんでも向飛車」の人もいるかもしれない。そういう人には有効。

第3章は、角道を止める相居飛車持久戦模様に対し、右四間で戦うというもの。
(1)対矢倉模様: 先手3手目▲6六歩からのウソ矢倉を後手右四間でつぶす。
(2)対雁木模様: 後手6手目△6二銀に先手右四間で早仕掛け、以下作戦勝ちにする。
「相居飛車で早く▲6六歩を止めるのは良くない」と結論付けられているが、現代ではかなり事情は違うだろう。ただし確かに右四間対策は必要である。▲ウソ矢倉にイラッとする人は、試してみる価値がある。

第4章は矢倉。現代とはかなり背景が違っている。まず、「相総矢倉は千日手」が当時の常識である。また、「新型」「旧型」という用語は現代ではほとんど使われないが、相居飛車全般において「▲5六歩(△5四歩)を突くのが旧型、▲4六歩(△6四歩)と突くのが新型」である。
(1)千日手定跡(基本定跡): 相総矢倉の千日手。「打開策がありません。」(p95)とあり、相総矢倉を避ける工夫が盛んに試行されていた。(※千日手定跡は、のちに米長新手▲6八銀左により打開された。)
(2)新旧対抗型: 後手が千日手定跡を避けて腰掛銀(新型)、先手は四手角+右四間で仕掛けるが、先手失敗に終わる。
(3)位取り急戦矢倉: 矢倉の相腰掛銀模様から▲4五歩位取り〜▲4六銀〜右四間。ユニークな作戦だが、現代で矢倉の相腰掛銀模様はまず見かけないだけに、実現困難。
(4)三手角.1 位取り対抗法: 先手の5筋6筋位取り矢倉に対し、後手が低い構えから△8四角〜△7二銀〜△7三桂〜△8一飛〜△6一飛(右四間)として反発する。(3)の▲4五歩位取り急戦とは無関係。現代では6筋7筋の位取りを目指すことが多く、これも使いづらい。
(5)三手角.2 急戦対抗法: 先手の6五位取りに対し、△8四角〜△7三桂〜△6二飛(右四間)ですばやく反発する。現代の「▲3七銀戦法-▲6五歩急戦型」に対する指し方の一つとして知っておくのもよい。
(6)天王山△3三角戦法: 著者オリジナルの新戦法。矢倉模様での先手の“新型”▲4六歩型に対し、飛先を△3三角で受けて、△5五歩と位を張る。以下△5四銀〜△6二飛(右四間)。

第5章は角換わり相腰掛銀。先後同型模様から▲2六角〜▲4八飛と構える。升田定跡とも言われる(ただし一般的な「升田定跡」は▲4五歩から仕掛けるもの)。アマで相腰掛銀を指す人はかなりの研究家だと思うが、裏定跡として知っておけば何勝か稼げるかもしれない。

このように、時代的に実現困難な形や、相手の序盤の緩手(級位者ならありがちではあるが)を咎めるものなど、狙ってできない形も多数あるが、いろいろな仕掛けの知識や構想を得たい人には一読の価値はある。ただし、すでにかなり古典化していることはご承知の上で。一方、「右四間(腰掛銀)戦法を極めたい人」にはあまり得るものがないと思うので、購入検討時にはご一考を。(2010Feb22)

※誤植・誤字(ポケット版1974年6月第4版にて確認)
p49 ×「△1七歩成の恐威」 ○「△1七歩成の脅威」
p72 ×「△同銀は▲5五歩から▲6六歩で先手よし」 先手は持ち歩なしなので▲6六歩はない。ただし後手の銀歩が逆形で早い攻めがなくなっており、先手が一歩持てば▲6六歩を狙えるので、先手よしには違いない。
p78 ×「▲1一香成なら」 ○「▲1一桂成なら」
p84 ×「(2)、△5三銀は▲8八角成」 ○「(2)、△5三銀は▲2二角成」
p101 ×「急拠」 ○「急遽」
p115 ×「遇然」 ○「偶然」
p115 ×「俗手の好手△7五とと打ち」 ○「俗手の好手△7五歩と打ち」
p133 ×「銀交換で後手よし。」 ○「銀桂交換で後手よし。」


【他の方のレビュー】(外部リンク)
まだみつかっていません。




【関連書籍】

[ジャンル] 
ユニーク戦法
[シリーズ] 
王将ブックス
[著者] 
佐藤大五郎
[発行年] 
1974年 1987年

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