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■横歩取り道場 第一巻

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東大将棋ブックス
横歩取り道場 第一巻
8五飛阻止
[総合評価] A

難易度:★★★★☆

図面:見開き6枚
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
読みやすさ:B
有段向き

【著 者】 所司和晴
【出版社】 毎日コミュニケーションズ
発行:2002年7月 ISBN:4-8399-0771-4
定価:1,200円 221ページ/19cm


【本の内容】
第一章 基本図までの駒組み 14p
第二章 △5一金▲4八銀〜△8四飛型 72p
第三章 △5一金▲3三角成〜△5六飛型 12p
第四章 △6二銀▲3三角成〜△8四飛型 28p
第五章 △6二銀▲3三角成〜△8二飛型 48p
第六章 △8四飛型 24p
第七章 ひねり飛車型 19p

◆内容紹介
ついに東大将棋ブックスが横歩取りシリーズに突入する。第一巻の本書では「8五飛戦法」の最新形8七歩保留型に絞って、わかりやすく紹介した。


【レビュー】
横歩取りで△8五飛とさせない形の定跡本。東大将棋シリーズの第11弾。

例によって、ウソのない精密な解説が特徴。二章〜五章が本書のメインで、いわゆる「角交換型急戦」の解説。先手の右銀、後手の右の金銀、飛車の位置のわずかな違いによる変化が詳解されている。六章〜七章は、比較的穏やかな流れの将棋を詳解。

各章の内容をチャートを交えながら見ていこう。本書の4ヶ月前に出版された『谷川の21世紀定跡(2) 横歩取り△8五飛戦法編』(谷川浩司,日本将棋連盟,2002.03)とテーマが似ているので、場合によって比較してみる。


第1章は、横歩取り基本図からの変化の概要。本シリーズでは、目次だけを見てもどのような変化なのか分からないことが多いが、下図を見れば一目瞭然だ。


第2章は、後手の中原囲いが完成してから(△5一金と△6二銀が両方指されてから)先手が角交換する形。後手の囲いは安定しているが、8二を守るために△7一銀と戻すことも多く、単純に得ともいえない。


第3章は、角交換急戦を警戒して△5一金を先にしている場合に、薄い5筋を狙って角交換から▲5六飛と動いていく作戦。本当の狙いは3筋の桂頭という作戦と、直接5三を破っていく作戦に分かれる。


第4章からは、後手が△6二銀を先に上がる形。第1節は2筋と8筋を絡めた先手の急戦策、第2節は穏健派の▲7七桂に後手が激しく反発する形、第3章は比較的落ち着いた展開になる。

「本筋」とされる変化が『谷川の〜』と異なっている部分があるが、これが著者の判断によるものなのか、プロ将棋界の研究の成果(出版年月4ヶ月の差)なのかは、ちょっと分からない。


第5章は、角交換に対し、△8二飛と引いて収めようとする形。第1節は▲6六角から▲8四歩と8筋を押さえ、▲3五飛〜▲8五飛と転回を図る形。第2節は▲8七歩と収めてしまい、持久戦調を採る作戦。第3節は▲6六角で斜めのラインを確保し、8筋に歩を打たずにがんばろうという作戦だ。


第6章は、先手が▲8七歩と打たずに角交換型をチラつかせている段階で△8四飛と形を決める展開。これには先手も▲8七歩と打ち、以下は「△8四飛型vs▲中住まい3八金型」の流れになる。


第7章は、先手がひねり飛車を狙う形。相掛かりからのひねり飛車とは、先後とも玉型が違ってくる。


この戦型は、現在アマチュアでも大流行している。わたしなどは、△8五飛を目指しても八割方は角交換型にされてしまうくらいだ。この流行が何年も続くかどうかは分からないので、本書は数年後には利用価値が無いかもしれない。しかし少なくとも現在は、居飛車党にとっては最重要課題の戦型だ。横歩取り党は必読である。

なお、東大将棋シリーズは各巻のデザインや背表紙がそっくりで、「どの巻か分かりにくい」と不評だったのだが、横歩取り道場シリーズではちょっとだけ改善されている。(2002July04,2011Mar08改訂(チャート等))



【関連書籍】

[ジャンル] 
横歩取り
[シリーズ] 
東大将棋ブックス
[著者] 
所司和晴
[発行年] 
2002年

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