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■勝てる矢倉戦法

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勝てる矢倉戦法
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将棋最強ブックス
勝てる矢倉戦法
[総合評価] B

難易度:★★★☆

図面:見開き4枚
内容:(質)B(量)B
レイアウト:A
解説:B
読みやすさ:A
中級〜上級向き

【著 者】 高橋道雄
【出版社】 創元社
発行:2012年5月 ISBN:978-4-422-75139-9
定価:1,365円(5%税込) 224ページ/19cm


【本の内容】
第1章 矢倉棒銀戦法
第2章 3筋歩交換戦法
第3章 ▲4六銀戦法
第4章 スズメ刺し戦法

◆内容紹介
攻めは飛角銀桂で、ときには香車も登場させ、守りは金銀三枚。すべての駒が盤上に舞い、ガンガン攻めまくって勝つ。それが矢倉戦法の醍醐味であり将棋の理想形だ。
本書は矢倉の基本というべき、
棒銀、3筋歩交換、▲4六銀、スズメ刺しの4つの戦法を選び、それぞれの勝ち方を明快に教える実戦的な内容。じっくりと学んでいけば矢倉で勝てるだけでなく、すべての将棋に共通する大局観も自然と身につく一冊となっている。


【レビュー】
矢倉の解説書。

現代矢倉のど真ん中本流は、いうまでもなく「▲4六銀-3七桂戦法」である。また、矢倉を目指すうえでの必須知識として、数種類の△急戦矢倉を知っておく必要がある。それらを知っていれば、少なくとも先手番で矢倉を指すことは可能だ。

では、矢倉の知識としてはそれだけで必要十分だろうか? 否、他にも「これぞ矢倉の戦い」といえるような形はたくさんある。その中には、かつてプロで盛んに戦われ、ほんのわずかに優劣の差が出たことから指されなくなった形もある。

本書は、かつて本流だった矢倉らしい戦いを4つ解説した本である。

載っている戦法は、いずれも20〜30年位前にはよく戦われていたものばかり。現代矢倉よりも狙いが分かりやすくて戦いやすいかもしれない。ただし、いずれも理由があって指されなくなっているので、本書では序盤に(現代の目で見れば)やや甘い手があることがある。


各章の内容を、チャートを添えながら簡単に説明していこう。なお、本書ではあまり枝分かれは多くなく、本編の変化は終局まで解説されている。

プロローグは、矢倉の22手目まで。「矢倉24手組」という言葉があるが、本書では▲5八金型(矢倉城完成の1手前)で戦う形もあるため、22手目までを基本図としている。この手順は暗記してしまってかまわない。注意点として、後手が△5二金右より△3二金を優先するのは、相早囲いを避け、▲早囲いに対して急戦の含みを残すためである。




第1章は、棒銀戦法。▲3七銀戦法で穏やかに入城したあと、2筋を伸ばして棒銀を狙う。本章の後手の対応でやや甘く感じられるのは2点で、棒銀に対して反撃体制を作らずに穏やかに入城することと、△6四歩-6三銀-△7三桂型になっているところ。




第2章は、3筋歩交換。▲4六銀戦法ではなかなかできないが、3筋の歩を交換できるときにはしておくのが矢倉の基本である。本章では、3筋を突っかけるタイミングの違いによって、あとの展開が変わる点を詳しく解説。なお、現在もっともメジャーな「▲3七銀に△6四角」の形では3筋歩交換はできない。




第3章は、▲4六銀戦法。「▲4六銀-3七桂vs△6四銀-7三桂」で、先後が互いに相似形の攻撃態勢を作っている。p128の△8五歩とp137の△4三銀はやや緩いように感じられた。




第4章は、▲スズメ刺し。仕掛けの17手はどれも同じだが、微妙な形の違いで成否が変わるところが面白くて難しいところ。低い構え(p154の形)で、後手の角を6四〜7三のラインから排除すれば成功する。そこで、本編では、序盤の手順を工夫して、p154の形を目指してみている。23手目▲1六歩(やや早い感じもする)から、△8四歩型のときに▲6五歩と角を追い払うのがポイント。

後半は、スズメ刺しから持久戦になった場合。昔のスズメ刺しのプロ棋譜を並べると、むしろ持久戦タイプの方が多く感じる。スズメ刺しを得意とする人は、まずスズメ刺しの形を作って、成功しそうならそのまま仕掛け、難しければ持久戦にシフトできるのだろう。




本手順のほかに、随所でいろいろな矢倉の攻め手筋を紹介しているところがよい。そのまま実戦で使うのは難しいかもしれないが、矢倉で芸域を広げたい人には一読の価値あり。(2012Jun07)



【関連書籍】

[ジャンル] 
矢倉
[シリーズ] 
将棋最強ブックス
[著者] 
高橋道雄
[発行年] 
2012年

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