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■つるの将棋 女流七番勝負

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つるの将棋 女流七番勝負
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つるの将棋 女流七番勝負 [総合評価] B

難易度:★★★☆

図面:見開き2枚
内容:(質)A(量)C
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A]
中級〜有段向き

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【著 者】 つるの剛士
【出版社】 幻冬舎
発行:2014年7月 ISBN:978-4-344-97784-6
定価:1,512円 160ページ/cm


【本の内容】
第一番 鈴木環那女流二段
第二番 甲斐智美女流二冠
第三番 中村桃子女流初段
第四番 上田初美女流三段
第五番 矢内理絵子女流五段
第六番 室谷由紀女流初段
第七番 香川愛生女流王将

◆内容紹介
アマチュア三段のつるの剛士がいまをときめく女流棋士に挑む!美しくも熱き戦い全七局

芸能界一の将棋通との呼び声も高いタレント・つるの剛士と、現代を代表する最強棋士との七番勝負をまとめた『
つるの将棋七番勝負』(2013.10)の第2弾!

今回挑んだのは、近年かつてないほどの盛り上がりを見せる女流棋界より、才色兼備の人気女流棋士7名。美しくも熱き対局の様子を、本人たちが棋譜をたどりながら丁寧に解説します。また、将棋への思いからプライベートまで、女流棋士の素顔に迫った対談も収録。女流ファンはもとより、将棋の入門書としても役立つ一冊です。

第一番 鈴木環那女流二段 (平手)
第二番 甲斐智美女流二冠 (角落ち)
第三番 中村桃子女流初段 (平手)
第四番 上田初美女流三段 (角落ち)
第五番 矢内理絵子女流五段 (ごろごろどうぶつしょうぎ)
第六番 室谷由紀女流初段 (平手)
第七番 香川愛生女流王将 (角落ち)

はたして、女流七番勝負の結果はいかに! ! ??

対局・対談中の写真も満載! ! 女流棋士のグラビアカラーページもあり、読み応え、見応えたっぷりです! !


【レビュー】
タレント・つるの剛士がプロに駒落ちで挑んだ「七番勝負」を記録した本の、第二弾。

今回の相手は全員が女流棋士で、手合は平手、角落ち、ごろごろどうぶつしょうぎ(?!)とバラエティに富んでいる。

平手はつるの先手で、戦法指定ができる。どこまで「指定」されているかは不明だが、序盤は下手の好きなようにやらせている感じだった。また、1回だけサポートの戸辺誠六段に相談できるルールになっている。

対局相手が人気女流棋士ということで(?)、本書の冒頭には各女流棋士のバストアップ写真(カラー)が、各章の冒頭と章末には白黒写真が多数掲載されている。カラーの方はプロカメラマンが気合を入れて(?)撮影したもの、モノクロの方はつるのとの対局風景を交えたスナップショットのようなイメージだ。

各章では、対局の棋譜を追いながら、対局者同士の対談(感想戦風)が進んでいく。対談は棋譜の途中からになっているが、あとで総譜は掲載されているので大丈夫。その後、別途対談(トーク)が行われるが、こちらは対局内容とは直接関係はない。章末に、女流棋士直筆のアンケートが1p掲載されており、この内容はトークの話題に取り入れられている。


各章について、将棋の内容とトークを簡単に紹介していこう。


第1章
VS鈴木環那女流二段

手合は平手
つるの先手で▲5筋位取り中飛車vs△6三銀型。〔右図〕

・先手は、前回(『つるの将棋七番勝負』)の羽生の教えに基づいて、△玉頭位取りを阻止
→9筋攻めの態勢を整えるも、タイミングが遅れて反撃をもらってしまう
→〔戸辺アドバイス〕9筋の攻めが間に合わないなら、玉頭を攻めよ
→勝負形に持ち込んだ

〔トーク〕
・鈴木が将棋を始めたきっかけは『ふたりっ子』
・原田泰夫への弟子入りの秘話
・恋愛は将棋にプラスになる?ならない?
・ボクシング観戦
・コツコツ積みたい

第2章
VS甲斐智美女流二冠

手合は角落ち
▲中飛車「つるのシステム」

・5筋歩交換後、▲5八飛と引く(▲5九飛ではない)
→その後、▲4八飛で4筋を攻める。〔右図〕
→実戦は好手・悪手が入り乱れ、最後は下手が寄せを逃して頓死。

〔トーク〕
・将棋と向き合えるようになった
・実はアクティブ

第3章
VS中村桃子女流初段

手合は平手
相振り飛車で▲三間+美濃vs△四間+美濃〜矢倉。

・矢倉崩し理想形〔右図〕から猛攻
→大駒を全部切って、金銀4枚で攻め
→飛を取り返して下手完勝
(※序盤で上手は相当緩めた感じはある)

〔トーク〕
・兄(中村亮介五段)の影響
・桃子のプライベート
・オススメの勉強法は棋譜並べ

第4章
VS上田初美女流三段

手合は角落ち
▲中飛車「つるのシステム」(第2章と同じ)〔右図〕

・飛切りで上手陣の攻略に成功
→詰みor必至を逃したために、ギリギリの勝負に

〔トーク〕
・夫婦で指す?(※上田と及川拓馬五段)
・子どもに将棋を教えるには?
・女流棋士ならではの経験

第5章
VS矢内理絵子女流五段

ごろごろどうぶつしょうぎ(玉・金・銀・歩で5x6の盤で指す)〔右図〕

棋譜はライオン、いぬ、ねこ、ひよこで書かれている。
→ごろごろどうぶつしょうぎが家にない人も多いと思うので、将棋の駒を使って盤に並べたほうが分かりやすいかも。

〔トーク〕
・ごろごろどうぶつしょうぎの感想
・女流棋士は緩めてくれない
・パートナー(夫)
・女流棋士会長

第6章
VS室谷由紀女流初段

手合は平手
▲4→3戦法〔右図〕

・仕掛けの飛交換は成功
→玉頭圧迫を恐れすぎて、美濃から玉を出してしまった
→早逃げを逸し、寄せ損なって逆転負け

〔トーク〕
・勝負どころで自分の手を指すには
・ライバルは香川
・東京への移籍
・将棋を始めるきっかけ
・憧れの棋士は戸辺

第7章
VS香川愛生女流王将

手合は角落ち
相中飛車(!)

・下手石田流に組み替えるが、攻めのチャンスを逃して危険に。
→最後は上手玉の薄さが響いて、下手勝ち

〔トーク〕
・未知の将棋が好き
・タイトルを獲って変わったこと
・ライバルは室田
・関西への移籍


【総評】
今回は、角落ちがやや多めで、下手▲中飛車に独自の工夫を加えた「つるのシステム」が将棋部分の見どころだったと思う。かなり真似しやすく、実現もしやすいと思うので、角落ちで作戦の迷いがある人はぜひ試してみてほしい。

将棋部分以外では、つるのが持ち前のタレント力で女流棋士の魅力をめいいっぱい引き出しているので、登場する女流棋士が好きな人にはオススメ。(2018Oct07)



【関連書籍】

[ジャンル] 
駒落ち実戦集
[シリーズ] つるの七番勝負
[著者] 
つるの剛士
[発行年] 
2014年

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