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■弱いのが強いのに勝つ法

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弱いのが強いのに勝つ法
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弱いのが強いのに勝つ法
─勝負の理論─
[総合評価] A

難易度:★★★☆

図面:見開き2枚(実戦譜)
内容:(質)A(量)A
レイアウト:B
解説:A
読みやすさ:A
中級〜有段向き

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【著 者】 木村義徳
【出版社】 日本将棋連盟
発行:1980年9月 2076-10911-5892
定価:1,000円 227ページ/19cm


【本の内容】
理論篇 第1章 将棋のこわさ 弱いのが勝つ/瞬間的な大幅低下/テングの必然性 14p
第2章 将棋のむずかしさ 強いのが勝つ/直感と形勢判断/上達法 22p
第3章 プレッシャー プレッシャーとふるえ/形勢判断と油断/直感と見落とし 23p
第4章 謙譲と無心 謙譲の美徳/無心とおかめ八目/無心の危険性 25p
第5章 執念と闘志 執念の修行/執念の読み/執念の危険性 16p
第6章 強いのに勝つ 当たって砕けろ/短期決戦/強攻策 22p
実戦譜 (1)vs佐藤大五郎八段 (2)vs関根茂八段 (3)vs有吉道夫九段 (4)西村一義七段
(5)vs大内延介八段 (6)vs中原誠五段 (7)vs大山康晴名人
104p


【レビュー】
棋力のブレについて考察した本。

誰にでも経験があるだろう。将棋倶楽部24のレーティング戦で、R400以上格下の相手に負けてしまったことが。31倍層のはずなのに、いいとこ3勝1敗ペース、ヘタすると2勝1敗ペースくらいだったり。相手は過少ではなく、はっきり実力差があるはずなのに、なぜなんだろう?と。

本書を読めば、その謎は大部分が晴れるはずだ。理論編では、実力差がある手合いでしばしば下手が上手を破る場合について考察している。大筋としては次のようになる。


「○○の場合は100%に近い力を発揮することができ、逆に△△の場合には瞬間的に棋力が大幅低下する。下手が実力を発揮し、上手が棋力低下したとき、両者の棋力は接近し、下手が上手を破る現象がしばしば発生する。」

「特に自分より強い相手にぶつかるときは、心理的には謙遜の境地が良い。それが困難なら、逆に執念を燃やすのも良い。また、戦術的には急戦で短期決戦を狙ってガンガン行くのが良い。」

この「○○」や「△△」を豊富な実例を用いて考察し、検証している。理論的にはややアイマイな部分も多いが、全体的には「一理あるかも」とうなずける。

実はこの本、著者がA級に上がった直後に書かれたもの。通算勝率が5割を切っていて、B2が定位置であった中堅棋士がB1→Aとトントンっと上がったので、周囲に軽い驚きを与えたようだ(本文中にもこの話が何度か出てくる)。「中堅棋士である自分がなぜ上がれたのか」という話を絡めて、「弱いのが強いのに勝つ方法」を述べているので、微妙に説得力がある(笑)。(ちなみにこの後、A→B1→B2とすぐに定位置に戻ってしまうのだが…)⇒参考:木村義徳八段の順位戦成績順位戦データベース内)

全体的に文章は長めだが、割とスラスラ読んでいけると思う。内容も面白いので、常に全力を尽くしたい実戦派の人には、ぜひともご一読いただきたい一冊だ。

なお、自戦記編の文章も理論編と関連があるので、本書を読むときは必ず前から順番に読んでいくべし。(2004Aug24)



【関連書籍】

[ジャンル] 
その他
[シリーズ] 
[著者] 
木村義徳
[発行年] 
1980年

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