中原誠実戦集(1) 八段になるまで |
[総合評価] A 難易度:★★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)A レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 上級〜有段向き |
|||
【著 者】 中原誠 【編】 田村孝雄 | ||||
【出版社】 大泉書店 | ||||
発行:1973年11月 | ISBN: | |||
定価:2,000円 | 275ページ/22cm H.C.・クロス張り |
【本の内容】 | ||||||||||||||||
中原誠の順位戦成績(「将棋順位戦データベース」内) |
【レビュー】 |
中原誠の自戦記集。 中原誠は1965年に四段昇段、プロ入り。そこからの順位戦は連続昇級、デビューから順位戦18連勝という記録も持つ。本書は『中原誠実戦集』三部作の第1巻で、C級2組四段になってからA級八段になるまでの順位戦4期・全48局を、全局自戦記形式で解説している。 本文には投了図以下の詰みや寄せもちゃんと書いてある。投了まで並べたら、そこで以下の展開をしっかり考えると良い。あらかじめ考えてから答え合わせをすれば、非常に参考になる。また、レイアウトも良くて非常に読みやすいので、ストレスを感じずに読み進めることができる。ただし、一譜あたりの指し手は多めなので(30手前後)、並べるときは盤駒か将棋ソフトを使用した方が良い。 C級やB級時代の自戦記はあまり多くないが、大技小技がよく決まっていて面白い。また、新進気鋭の若手から老獪なベテランまでそろっているので、バラエティ豊かな将棋を楽める。 この頃の中原は、まだ「桂使いの中原」というイメージはないが、すでに「自然流」な感じはある。無理な作戦は採らず、相手の動きに追従しながら有利さを探している。居飛車党正統派で、森下の将棋が好きな方は本書の中原将棋もきっと気に入ると思う。(2005Feb17) |