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第25期将棋十段戦 | [総合評価] B 難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:B 中級以上向き |
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【編 者】 木本書店 【監 修】 読売新聞社 | ||||
【出版社】 木本書店 | ||||
発行:1987年6月 | ISBN:4-905689-11-2 | |||
定価:2,000円 | 218ページ/22cm/H.C. |
【本の内容】 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
【十段】米長邦雄 【挑戦者】福崎文吾七段 (奪取)
・第25期十段戦リーグ戦
福崎文吾熱戦譜(10局)=60p |
【レビュー】 |
十段戦の観戦記。十段戦七番勝負の観戦記をまとめたものは、本書の第25期だけ。なぜ今期だけが出版されたのか、その事情は不明である。 25期の十段はご存知、米長。挑戦者は、“妖刀”福崎。振り穴を得意とし、意表の手順で相手を幻惑する“感覚破壊王”でもある。本書には七番勝負の6局と、福崎のリーグ戦での10局がすべて観戦記付きで収められていて、特に穴熊戦の終盤が見ごたえあり。強靭な粘りあり、Zを生かした寄せあり…。序盤戦術は現代とは比較にならないが、終盤は非常に参考になるので振り穴党は要チェック。 観戦記は名人戦や竜王戦などと同じ構成であるが、各局の最後に「ワンポイント自戦記」として、新十段・福崎の解説があるのが嬉しい。同じ将棋に対して、第三者(観戦記者)の記事と当事者(対局者)の考えが読めるというのは、非常に面白い試みだ。対局者には負担かもしれないが、この試みは成功しているので、できれば現代の観戦記集でも復活させてほしい。 また、読売の観戦記は、毎○に比べてとても読みやすい。対局当事者ではなく、観戦記者として一歩引いたスタンスが良いと思った。ただ、この辺は好みの問題だと思うので、あまり気にしなくていいかも。(2004Feb18) |