zoom |
詰将棋探検隊 妙技すべてみせます |
[総合評価] A 難易度:★★★★ 図面:見開き3〜5枚 内容:(質)S(量)B レイアウト:B 解答の裏透け:- 解説:A 読みやすさ:A 上級以上向き |
||
【著 者】 角建逸 【編】 週刊将棋 | ||||
【出版社】 毎日コミュニケーションズ | ||||
発行:1995年12月 | ISBN:4-89563-647-X | |||
定価:1,165円 | 220ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||
収録作品一覧(目次より)
◆内容紹介(推薦のことば(米長邦雄)より抜粋) |
【レビュー】 |
詰将棋のアンソロジー本。「将棋」誌に連載された「詰将棋探検隊は行く」(1985年春号〜1993年春号)を大幅改稿し、再編集したもの。「本書の単行本化にあたって、連載当時の百局のうち3割以上を入れ替え、全文を探検隊の会話文に改めました」(あとがきより) 本書で紹介される詰将棋は、「あるテーマの一号局」や「テーマの持つ思想を極限まで高めたもの」など、詰将棋史の金字塔となる作品ばかり。「終盤力養成用の詰将棋」ではなく、いずれも「パズルとして研ぎ澄まされた詰将棋」だ。これら厳選された詰将棋作品が“隊長”と“隊員A〜C”による座談会形式で解説されていく。 厳密な変化の解説はあまりなく、作品の魅力に直結する部分だけに絞って解説している。図面の直後から解説が始まるので、自力で挑戦するのではなく、読み物として楽しむのが良い。譜面は割と細かく分かれているので脳内でも読めるが、できれば盤に並べた方がより楽しめる。 本書を最も楽しめそうな読者層は、2種類ありそう。まずは「詰将棋初心者」。指し将棋の棋力はそこそこあるが、詰将棋は苦手、という層。σ(^-^)もここに含まれます(笑)。この層は、駒の織りなすマジックに素直に感嘆し、感動するのが良いかと。もう一方は、むしろ対極に位置する「詰将棋ベテラン」。“もう、ここに載ってる詰将棋は全部知ってるよ”という層。この層は、初めてその作品に触れたときの感動を思い出しながら、あれやこれやウンチクを垂れつつ並べていくのが楽しいかと思う。イメージとしては、漫画『美味しんぼ』(Wikipedia)の食通(審査員)たちになったような気分で(笑)。←本書の文章も「美味しんぼ」に影響を受けてるような気がします。 以前レビューした『王様殺人事件』よりも、大勢の人にオススメできそうな一冊。早めに文庫化してほしい。ただし、あまりにも詰将棋の魅力がいっぱい詰まりすぎているので、普通の詰将棋が物足りなくなってしまうかも?!(2006Jan24) |