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阿部隆の大局観 良い手悪い手普通の手 |
[総合評価] B 難易度:★★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:B 上級〜有段向き |
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【著 者】 阿部隆 | ||||
【出版社】 毎日コミュニケーションズ | ||||
発行:2005年10月 | ISBN:4-8399-1823-6 | |||
定価:1,365円(5%税込) | 240ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||||||||||
◆内容紹介(MYCOMホームページより) |
【レビュー】 |
大局観を解説した本。NHK講座の「良い手悪い手普通の手」を加筆編集したもの。このタイトルは、20年以上前のTV番組「欽ドン!良い子悪い子普通の子」(WikiPedia)のパロディと思われる。(筆者が子どものころに観てたんだろうね…) 居飛車党がよく指しそうな人気7戦法がテーマ。基礎編では定跡局面(または定跡に近いもの)を採り上げ、理想形の描き方や形勢判断を解説していく。応用編は阿部の実戦がテーマになっている。 各局面で局面や考え方を説明したあと、選択肢を3つ提示。それぞれについて、「悪い手・普通の手・良い手」の順に解説していく。なお、「悪い手」でも「第一感ダメ」というものは少なく、パッと見ではどれも有力そうな手だ。「しっかり読みを入れた上で、プロ的な視点で善悪判断」をしていくので、やや難度は高い。しかし解説は丁寧で詳しいので、何度も読み込んでいけばきっとタメになるだろう。 ただ、本書はレイアウトにやや難あり。解説はできるだけ見開き完結になるようにしているし、図面もずれていないが、解説量の割に図面が少ない。図面の上下にはかなりスペースがあるので、必要に応じて途中図などを入れてほしいところ。また、テレビ講座での解説をそのまま書いたような文章なので、前後のつながりが急に見えなくなることがあった。さらに「良い手・悪い手・普通の手」の解説部分が特に強調されていないため、どの手の解説してるのかが分かりにくい。この辺は創元社の「アマの将棋 ここが悪い!」シリーズを見習ってほしい。 内容は優秀ながら、本の作りこみでかなり損をした感じのする一冊。(2006Jan18) ※ちなみにわたしが選んだ手はほとんど「普通の手」でした…( ノ´Д`)丿 |