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秘法巻之弐 左美濃伝説 |
[総合評価] A 難易度:★★★★☆ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)A レイアウト:A 解説:A 有段向き |
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【編 者】 週刊将棋 | ||||
【出版社】 毎日コミュニケーションズ | ||||
発行:1991年8月 | ISBN:4-89563-553-8 | |||
定価:1,000円 | 206ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||||
◆内容紹介 |
【レビュー】 |
急戦左美濃の定跡書。 左美濃は大別して急戦型と持久戦型があるが、本書は「左美濃+4六銀急戦」の専門書。早仕掛け型や左美濃右四間は載っていない。また、4六銀戦法は仕掛けた後に銀を立て直して準急戦にするタイプがあるが、本書では激しく攻め切るタイプに絞って解説されている。△8二玉型の四間飛車に対しては、本書一冊で十分だと思う。 ただしご承知の通り、左美濃は"△7一玉+△3二銀の藤井システム"には極端に弱い。玉頭からの反撃が速いからだ。現在では、左美濃急戦をメイン戦法とするのは難しいだろう。しかしわたしの経験では、最近は居飛穴警戒で早く△4三銀と上がる人がほとんど。また、▲9六歩には無条件で△7一玉まで移動し、▲3六歩には反射的に△8二玉と入城する人はかなり多い。なので、左美濃急戦を使える機会は多いと思う。なによりも藤井システムが開発されたこと自体が、左美濃の優秀性を証明している。 全体的に「左美濃バンザイ」のスタンスのため、たまに形勢不明の局面でも「居飛車指せる」と書いてある。厳密には正しいかもしれないが、わたし(現24初段)程度の棋力ではそこから勝ち切れる気はしなかった。このあたりの微妙な表現には注意すべし。普通に読んでいると、左美濃急戦は必勝戦法のような気がしてしまう(笑) なお、『羽生の頭脳 4 居飛車穴熊と左美濃』(羽生善治,日本将棋連盟,1992)では「相手が中飛車の場合、左美濃は作戦負けしやすい」とある。中飛車編は、かなり限定された形でのみ成立すると思った方が良さそうだ。(2002Nov09) |