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■型破り振飛車の急所

< | No.0631 | >

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(ポケット版)
型破り振飛車の急所(ポケット版)
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王将ブックス ポケット版
─実戦振飛車シリーズW
型破り振飛車の急所
[総合評価] C

難易度:★★★☆

図面:見開き2枚
内容:(質)B(量)B
レイアウト:A
解説:B
読みやすさ:A
中級〜上級向き

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【著 者】 北村昌男
【出版社】 北辰堂
発行:1975年10月 0376-72028-7731
定価:380円 158ページ/16cm
(DELUXE版)
型破り振飛車の急所
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将棋タウンさんthx!
王将ブックスDELUXE版
―実戦振飛車シリーズ(4)
型破り振飛車の急所
[総合評価] C

難易度:★★★☆

図面:見開き2枚
内容:(質)B(量)B
レイアウト:A
解説:B
読みやすさ:A
中級〜上級向き

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【著 者】 北村昌男
【出版社】 北辰堂
発行:1987年3月 ISBN:4-89287-083-8
定価:800円 158ページ/19cm


【本の内容】
第1章 ▲4六銀型中飛車 26p
第2章 ▲5五歩交換中飛車 10p
第3章 △4四角型中飛車 20p
第4章 △3四金型四間飛車 30p
第5章 ▲7六銀型四間飛車 20p
第6章 ▲7五歩型三間飛車 30p
第7章 ▲7五歩型向飛車 18p

◆内容紹介(はしがきより抜粋)
振飛車戦法が全盛の昨今ですが、皆さんの振飛車はプロの対局と同じ型にはまった定跡形が主力となっています。たまには相手の意表を衝いた“型破り”の振飛車も面白いのではないでしょうか。実力の向上にも役立ちますし、なんといっても、好敵手がまごつく姿がたのしいものです。


【レビュー】
“普通ではない”振飛車の戦法解説書。

第1章〜第3章は力戦的な中飛車。第4章〜第7章は序盤で▲7五歩(△3五歩)と位を取る戦型で、金銀や飛の活用でまったく違う性格になってくる。

各章の構成は、基本的な狙い筋、相手が超急戦で反発して来た場合の対応、持久戦の一例など。いろんな形を紹介しているため、各章の内容は薄めになっている。

各戦型を少し紹介しておこう。
▲4六銀型中飛車
<第1章・▲4六銀型中飛車>

初手から
 ▲7六歩 △8四歩 ▲5六歩 △8五歩 ▲7七角 △5四歩
 ▲5八飛 △4二玉 ▲6八銀 △3二玉 ▲5七銀 △6二銀
 ▲4六銀 △3四歩 ▲7八金 (左図)

普通に中飛車に振った後、左銀を斜めに繰り出す。角道を止めずに▲7八金とする。狙いは(1)▲4五銀の進出 (2)▲5五歩からの中央突破 (3)角交換後▲5九飛〜▲8九飛の転換、などいくつもある。

積極的に局面をリードしたい中飛車党の人にオススメ。
▲5五歩交換型中飛車
<第2章・▲5五歩交換型中飛車>

初手から
 ▲7六歩 △8四歩 ▲5六歩 △8五歩 ▲7七角 △5四歩
 ▲5八飛 △6二銀 ▲5五歩 △同 歩 ▲同 飛 (左図)

乱戦狙いの中飛車。第1章と序盤は似ているが、銀の活用をせずにいきなり歩交換をする。この後、△4二玉 ▲4八玉 △3二玉 ▲3八玉 △3四歩 ▲5四飛 △7七角成 ▲同桂が本書の進行例。

なお、本書には載っていないが、次のようなハメ手にもなりうる。▲3八玉のところ▲7八金とし、△3四歩 ▲5四飛 △7七角成 ▲同桂 △4五角 ▲5五飛 △2七角成 ▲2五飛 △5四馬 ▲2四歩
△4四角型中飛車
<第3章・△4四角型中飛車>

初手から
 ▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △5四歩 ▲2五歩 △5五歩
 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △3二金 ▲3四飛 △4四角
 ▲2四飛 △2二銀 ▲5八金右 △5二飛

後手が横歩を取らせて中飛車に振る形の新研究。現代風ゴキゲン中飛車の戦前バージョンを改良したもの。

「横歩取らせ中飛車」はかつての名人戦(木村vs塚田)にも登場しているが、現代でこの指し方をする人はほとんどいないので、利用価値は低いかも。
△3四金型四間飛車
<第4章・△3四金型四間飛車>

初手から
 ▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △3二金 ▲2五歩 △3三金
 ▲4八銀 △3五歩 ▲4六歩 △4四歩 ▲4七銀 △3四金
 ▲6八玉 △4二飛 ▲7八玉 △6二玉 ▲5八金右 (左図)

本書の中でもっとも“型破り”な戦法。△3四金の力で先手の攻めを押さえ込み、変幻自在に捌く。第5章の▲7五歩型四間飛車と似ているが、3一銀を囲いに使うには手数がかかるため、後手から早仕掛けを狙う展開にはなりにくい。

使いこなすには独特の感覚が必要だが、押したり引いたりの力戦を好む人に向いている。
▲7五歩型四間飛車
<第5章・▲7五歩型四間飛車>

初手から
 ▲7六歩 △8四歩 ▲7五歩 △8五歩 ▲7七角 △3四歩
 ▲6六歩 △6二銀 ▲7八銀 △6四歩 ▲6七銀 △4二玉
 ▲6八飛 (左図)

後手が2手目△8四歩とした場合にできる戦法。7五の位を取ったら銀の活用を急ぐのがポイント。狙いは▲7六銀型から▲6五歩と仕掛ける大捌きで、右四間飛車(腰掛銀)のような感じ。後手は常に仕掛けに気を使う展開になる。

なお、後手が序盤で△6三銀〜△7四歩と反発した場合は乱戦になる。
▲7五歩型向飛車
<第6章・▲7五歩型三間飛車>

初手から
 ▲7六歩 △8四歩 ▲7五歩 △8五歩 ▲7七角 △3四歩
 ▲6六歩 △6二銀 ▲7八飛 (左図)

後手が2手目△8四歩とした場合にできる戦法。第5章の▲7五歩型四間飛車と似ているが、今回は常に▲7六飛の好形をちらつかせながら戦う。

一気に攻め込む狙いはないが、作戦勝ちを目指しながら臨機応変に戦えるので、本書の中ではもっともバランスが取れている戦法だ。個人的にはこれが一番好き。
▲7五歩型向飛車
<第7章・▲7五歩型向飛車>

初手から
 ▲7六歩 △3四歩 ▲7五歩 △8八角成 ▲同 飛 (左図)

先手が石田流を目指し▲7五歩と突いた瞬間に、後手から角交換された場合の戦型。▲同飛では▲同銀が普通だが、こういうのもある。最初から狙ってできる戦法ではないが、石田流をよく指す人は4手目角交換対策として知っておくのが良い。


基本的には自分で何局も指して感覚をつかんでいくしかなさそうだ。ただし、他書にはなかなか載っていない戦型もあるため、一度は読んでおく価値があると思う。(2007Jun01)



【関連書籍】

[ジャンル] 
ユニーク戦法
[シリーズ] 
王将ブックス
[著者] 
北村昌男
[発行年] 
1975年 1987年

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