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王将ブックス DELUXE版 ―駒落ちシリーズ(3) 飛車落ち必勝法 |
[総合評価] B 難易度:★★★☆ 図面:見開き2枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 上級〜有段向き |
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【著 者】 佐藤庄平 | ||||
【出版社】 北辰堂 | ||||
発行:1988年3月 | ISBN:4-89287-053-6 | |||
定価:800円 | 158ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||
◆内容紹介(はしがきより抜粋) |
【レビュー】 |
飛落ち専門の定跡書。 飛落ちの定跡でもっともメジャーなものは下手右四間定跡、次に矢倉引き角定跡だろう。このうち下手右四間定跡は数多くの定跡書で取り上げられ、しかも完成した下手必勝定跡である。ただ、マギレ手段の選択権は上手にあるため、下手はその全てを打ち破らなくてはならない。完成定跡でありながらその全てを網羅した本はなく、下手がマスターするのは容易ではない。 本書では、難解な右四間定跡を避け、簡明な指し方を紹介している。 第1章では、[右図]で▲4五歩!と仕掛け、角交換から持久戦を目指す方針。「角交換は上手の負担になる」というスタンスだ。局面を落ち着かせ、上手の盛り上がりを防ぎながら手詰まりを誘い、持ち角を利用して隙を突いていく。正確な暗記が苦手な方にはオススメの戦法だ。 [右図]の▲4五歩早仕掛けを防ぐ意味で、「上手△3三銀型」と「角交換お神酒指し」が考えられる。それが第2章と第3章。特に“お神酒”は意外と他書に載っていないが、必ず一度は出会うはずなので、本書でツボを押さえておきたい。飛香落ちのお神酒にも応用可能。 第4章の実戦譜は、なぜか第1章〜第3章で解説していない「瞳流▲6五歩位取り戦法」。しかも下手の苦戦譜(「飛車落ち必勝法」なのに!?)。この戦法はちゃんと解説した定跡書はほとんどないので、実戦集『血涙十番勝負』(山口瞳,1972初版)を参考にすべし。 「右四間定跡が優秀とは思えない…」という人は、ぜひ本書を一読されたし。「右四間で勝ちたいんだ!」という人には不要。(2005Aug15) |