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血涙十番勝負 | [総合評価] C 難易度:★★★☆ 図面:見開き0〜2枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:B 解説:C 上級〜有段向き |
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【著 者】 山口瞳 | ||||
【出版社】 講談社 | ||||
発行:1972年 | 0093-125770-2253 (0) | |||
定価:880円 | 290ページ/20cm ハードカバー |
(文庫版) zoom |
中央公論文庫 血涙十番勝負 |
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【著 者】 山口瞳 | ||||
【出版社】 中央公論新社 | ||||
発行:2002年9月 | ISBN:4-12-204087-6 | |||
定価:686円 | 311ページ/16cm 文庫本 |
(小学館版) zoom |
P+D BOOKS 血涙十番勝負 |
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【著 者】 山口瞳 | ||||
【出版社】 小学館 | ||||
発行:2017年10月 | ISBN:978-4-09-352318-9 | |||
定価:648円(8%税込) | 369ページ/18cm |
【本の内容】 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
◆内容紹介 |
【レビュー】 |
飛車落ちの個人実戦集。「小説現代」誌に掲載されていたのを単行本化したもの。タイトルを見ただけでは、なんの十番勝負なのか分からない(笑)ので、書店では将棋コーナー以外に並べられていることがある。 実はわたし、著者の山口瞳という人をよく知らない。サラリーマン小説家として名を馳せた人らしいが、なにせこの本でさえ初版は30年前。わたしはまだ生まれていないので、知らないのも無理はない?ネット書店で検索したら、150件以上もヒットしたのでびっくりした。 飛車落ちでは下手の戦法は右四間飛車、というのが一般的。ただ、右四間飛車は仕掛けたら一気に攻め切らなければならないので、ポイントを稼いでいく棋風の人にはつらいところ。引き角定跡もあるが、これもなかなか大変だ。本書での山口氏の飛車落ち対策は、「瞳流▲6五歩位取り戦法」(右図)である。これは、じっくりと陣形で優位に立ち、上手を手詰まり状態に持っていき、にらみ倒して勝つという指し方(「決定版駒落ち定跡」274pより)。定跡からは外れやすいが、位の力が強い。押したり引いたりが好きな人にはピッタリの戦法である。 ただ、この戦法が優秀なのは間違いないのだが、残念ながら山口氏の勝率は良くない。米長の評によれば、山口将棋は重厚でプロ好みの棋風だが、それが災いして終盤の決め所で安全勝ちを目指して転ぶときがある、とのこと。確かに終盤で手が伸びなかったり、逆に暴発して駒損しながら攻めて切れ模様という将棋が多かった。 また、この山口氏、前日になぜか酒を飲んでしまう。それもかなり深酒を。わたしにはとても信じられないが、とにかくそういう人である。本文中にもそんなことがたくさん書いてあって、読み物としてはなかなか面白かった。一方、棋譜の解説そのものはかなり少なく、棋書としては今ひとつか。飛車落ちで右四間ではどうしてもプロに勝てない、という人には一読の価値あり。(2003Mar05) |