(ポケット版) zoom |
王将ブックス ポケット版 ─居飛車シリーズX 相懸り基本戦法 |
[総合評価] C 難易度:★★★☆ 図面:見開き2枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級〜上級向き |
||
【著 者】 芹沢博文 | ||||
【出版社】 北辰堂 | ||||
発行:1967年 | ISBN:4-89287-005-6 | |||
定価:380円 | 158ページ/15cm |
(DELUXE版) zoom 将棋タウンさんthx! |
王将ブックスDELUXE版 ―居飛車シリーズ(5) 九段 芹沢博文の 相懸り基本戦法 |
[総合評価] C 難易度:★★★☆ 図面:見開き2枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級〜上級向き |
||
【著 者】 芹沢博文 | ||||
【出版社】 北辰堂 | ||||
発行:1988年12月 | ISBN:4-89287-011-0 | |||
定価:800円 | 158ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||||||
◆内容紹介(はしがきより抜粋) |
【レビュー】 |
相掛かりの定跡書。 本書を読む前に、相掛かりの歴史をざっとおさらいしておこう。戦前は中央の位がかなり重視されていたので、5筋の歩を突き合うのは当たり前とされていた。その後、角交換から(相掛かりでは常に角交換がある)▲7一角(△3九角)として飛と角成りを狙う筋が幅を利かせてくると、「5筋不突き」が生まれた。これは当時としては革命的な考え方で、しばらくは「新型」の5筋不突きと「旧型」の中央重視の対抗形(新旧対抗形)が指されていた。そのうち「新型」の方が有力視されてきて、お互いに新型を目指すようになり、「相腰掛銀」という戦型が生まれた。本書で扱っているのはここまで。 第1章は「初期の腰掛銀」で、▲2六飛vs△8二飛型。相腰掛銀はどうしても先手が先攻する形になるので、後手は最初から引き飛車にして守備力を重視している。本章では、角交換後に△3一玉と囲いを目指すと後手がつぶされてしまう例を紹介。 第2章はいわゆる「ガッチャン銀」。新型同士の戦いである。章の冒頭にある「アプレゲール」(p19)という単語は最近では耳にしないが、「新型」の意味で使われている。(cf. Wikipedia)互いに浮き飛車で、▲4八金と構える(桂跳ね後の3七の升目を守る意味)〔右図〕。当初は小堀清一八段の得意形で、「斜の構え」と呼ばれたそうだ。後手の対策は少しずつ進化していき、 (1)攻め合いを目指す△6二金型 (2)守備力のある△5二金型 (3)先手が1手パスして△5二金型を崩させる (4)後手も飛先の歩を再交換して1手パスし、最善形で待つ (4)は現代の相掛かりでもよく見られる手筋で、千日手歓迎のスタイルだ。 第3章は相腰掛銀の実戦譜で、「駅馬車定跡」と呼ばれる一局である。▲2八飛vs△8二飛の相腰掛銀は小堀流といわれ、当時の最新流行形だった。 第4章は「新旧対抗形」。実は本書が出版された1966年当時でもすでに「消えた戦法」であり、現代では完全に古典である。ただし、なぜ古典と化したかは、本章と第5章を読めば分かる。後手が△5四歩と中央に位を張ろうとした瞬間に▲2二角成とするのが決定打(これも小堀流と呼ばれていた)。「角換わり将棋に5筋を突くな」の格言どおり、先手は駒組みしやすく、後手は駒組みしにくくなる。 第5章の「後手位取り戦法」は、凹凸型とも呼ばれる。新旧対抗型で先手が角交換しない場合、△5五歩と中央位取りに出る。この戦いは第4章と違って、互角ではあるが先手が攻めるのはかなり大変である。 第6章は、第5章の「新旧対抗型△5筋位取り」の実戦譜で、「△位vs▲捌き」の対抗例である。後手の大山が位を武器に受けつぶした一局。 本書の内容は、登場時期順に並べなおすと、第5章→第4章→第1章→第2章になる。 すでに「新型」の相腰掛銀も古典になりかけており、棋力強化の目的では本書の内容はあまり役に立たないだろう。ただし、相掛かりの歴史を紐解く意味では、読んで損のない一冊だと思う。(2010Mar22) ※誤植・誤字(ポケット版5版(1982年5月)で確認) p14 ×「△5一角が生じます」 ○「△5九角が生じます」 p16 ×「▲2三銀」 ○「▲2三銀打」 p108 ×「4五歩、同歩」 ○「3五歩、同歩」 |
【他の方のレビュー】(外部リンク) まだ見つかっていません。 |