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羽生善治のみるみる強くなる将棋入門 5ヵ条で勝ち方がわかる |
[総合評価] A 難易度:★ 図面:見開き3〜6枚 内容:(質)A(量)A レイアウト:A(2色刷) 解説:A 読みやすさ:A 入門〜初心向き |
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【監 修】 羽生善治 | ||||
【出版社】 池田書店 | ||||
発行:2009年2月 | ISBN:978-4-262-10144-6 | |||
定価:998円(5%税込) | 191ページ/21cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||
【構成・文】 上地隆蔵 【イラスト】 角愼作
・【付録】将棋の用語集=5p |
【レビュー】 |
初心者向けの将棋入門書。 本書では駒の動きを知らない人から対応しているが、「5ヵ条」を理解することで「ただ駒を動かしているレベル」からすぐにステップアップできるようになっている。 第1章の「駒プロフィール」は、駒の動き方、特性、「成る」について。駒ごとに(1)ホップ、(2)ステップ!、(3)ジャンプ!、(4)パワーアップ!(成る)で基本から順に解説する。駒の攻撃力・守備力・機動力・総合力をレーダーチャートで図示。この中で注目すべきは「総合力」で、この数値で「駒の価値」を動かし方よりも先に提示しているのが面白い。本書で「駒の損得」がかなり重視されていることが窺える。 第2章は本書のサブタイトルにもなっている「5ヵ条」で、将棋というゲームの基本を5つに分けて解説。5ヵ条は以下の通り。 (1)取る: 駒得、駒損について。第1章の「駒の総合力」の数値が判断基準。 (2)攻める: 敵陣突破,数の原理,歩のテクニック,その他の駒の攻めの手筋 (3)成る: 成りのルール,垂れ歩,と金の価値,連打の歩でスペースを空ける,成/不成の選択 (4-1)詰める: 詰みとは,いろいろな駒での詰め方,捨て駒について。正解以外の選択肢も初心者に分かるように丁寧に検証している。 (4-2)寄せる: 詰めろ・必死,玉は包むように寄せよ,玉は下段に落とせ,逃げ道を封鎖 (5)囲う: 囲う意味,金矢倉・美濃囲い・舟囲い・穴熊 (ステップアップ)簡単な戦法紹介 …と、実際には6ヵ条+1である。これらを理解して指すだけでも、すでに「入門者とは一線を画すレベル」だといえるだろう。 第3章は1手詰が12問。「詰みが分かる」だけでも入門者同士の仲間内では一歩先んじているといえる。12問では正直言って全然足りないので、この部分は1手詰め専門書(『将棋1手詰入門ドリル』(椎名龍一,池田書店,2007)など)で練習すると良い。 また、「5ヵ条」には駒の価値の話が再三出てくるので、すでに駒の動きを知っている人も第1章から読んでおくべき。 本書の文章は入門書には珍しくゴシック体で、フォントは結構小さい。その分、解説量はかなり多めで丁寧で詳しくなっているが、小さい字が見づらい人は注意。また、基本的にルビなしで、一部の読み方が分かりづらい漢字にだけ付けられている。小学5年生くらいなら無理なく読めると思うが、低学年の方は注意。 入門書としてはかなりのオススメ品である。(2010Mar25) ※誤植・誤字(第1版で確認) p107 第6図 後手の駒配置 ×「△2二金」 ○「△2二銀△3一金」 |
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