(ポケット版) zoom |
王将ブックス ポケット版 ─居飛車シリーズW 棒銀・腰掛銀戦法 |
[総合評価] C 難易度:★★★☆ 図面:見開き2枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級〜上級向き |
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【著 者】 芹沢博文 | ||||
【出版社】 北辰堂 | ||||
発行:1966年 | ISBN:4-89287-004-8 | |||
定価:380円 | 158ページ/15cm |
(DELUXE版) |
王将ブックスDELUXE版 ―居飛車シリーズ(4) 九段 芹沢博文の 棒銀・腰掛銀戦法 |
[総合評価] C 難易度:★★★☆ 図面:見開き2枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級〜上級向き |
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【著 者】 芹沢博文 | ||||
【出版社】 北辰堂 | ||||
発行:1988年8月 | ISBN:4-89287-010-2 | |||
定価:800円 | 158ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||||
◆内容紹介(はしがきより抜粋) |
【レビュー】 |
角換わりの定跡書。 戦後まもなく、角換わりが流行した時期がある。「角換わりでなければ将棋にあらず」と言われるほどで、その中で棒銀や腰掛銀がある程度洗練され、現代へつながる布石となっている。 本書は、戦後から約20年ほどの間で固まった角換わり定跡を解説したもの。「棒銀編」と「腰掛銀編」に大きく分類されている。 棒銀編第1章は、棒銀から▲1五歩△同歩▲同銀と端攻めする型。攻めの基本として、数多くの定跡書で紹介されている形である。本書では、銀を捌いて▲1二歩と垂らしたあと、常用の▲6六角だけでなく、玉を囲ってから▲1九香打とするゆっくりした確実な指し方も紹介されている。また、△1六歩の反撃は本筋でないとされているが、これは現代ではもっと有力視されている。 棒銀編第2章は、△7三銀-△5四角型で棒銀の捌きをけん制する形。現代では「升田新手▲3八角」だけが取り上げられることが多いが、比較的初期に現れた「▲5八金型」や「大友流▲2六飛」なども解説されているので、角換わり棒銀の歴史を知る上で有用である。 また、「加藤一二三八段の鬼手・▲1五角のタダ捨て」は必見。加藤vs丸田戦で現れた手で、後手から△1五角と王手飛車をかけられるのを防いでいる。これが奏功して先手勝ちになったが、その後アマの指摘によって先手不利の結論が出ている、というところまで書かれている。 腰掛銀編第1章は木村定跡。『羽生の頭脳 7 角換わり最前線』(羽生善治,日本将棋連盟,1993)ではサラッと流されているが、角換わり同型腰掛銀の基礎中の基礎。他書に比べて分かりやすく解説されている。ただし木村定跡自体は本章58pのうち24pで、残り34pは木村定跡が生まれるよりも少し前の実戦譜解説。 腰掛銀編第2章は升田定跡だが、現代で「升田定跡」といわれているものとは別物。現代では「木村定跡」=「▲8八玉△2二玉型の先後同型」、「升田定跡」=「木村定跡の2手前(▲7九玉△3一玉)の先後同型」というのが一般的。本書の升田定跡は〔右上図〕のように後手が△6二金-△8一飛と構え、先手は4筋位取り。升田が実戦で用いた攻めで、〔右上図〕▲1五歩からの仕掛けが一本道で勝ちになる(難しい変化はある)。 腰掛銀編第3章は「大山流まむし戦法」。あまり聞き慣れない名前であるが、先後同型から△7三桂を保留し(桂頭の弱点を作らない)、先手に1手指させてから△7三桂と跳ねて先攻する作戦。1手指させる手が▲4八金で▲2九飛とセットのため生じる変化で、当時はこれが「形」と思われていた。現代では▲4七金と上がるだろうか。「まむし戦法」の由来は、3筋の桂頭攻めで作ったと金がまむしのように擦り寄って寄せに利いてくることから。〔右下図〕がその典型的な局面で、終盤に差し掛かったこの同一局面がプロの実戦で2回現れている。 棒銀編は他書と大きな内容の違いはないが、腰掛銀編はややクラシカルな感じながら個性がある。実戦に使えるかどうかはともかく、角換わりマニアなら読んで損はないだろう。(2010Mar28) ※誤植・誤字(ポケット版7版で確認) p54 ×「△2七歩、△2五銀と、」 ○「△2七歩、△3五銀と」 |
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