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将棋の公式 | [総合評価] S 難易度:★★★ 〜★★★★ 図面:見開き2〜4枚 内容:(質)S(量)A レイアウト:B 解説:A 読みやすさ:B 中級〜有段向き |
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【著 者】 加藤治郎 | ||||
【出版社】 東京書店 | ||||
発行:1967年 | ISBN: | |||
定価:580円 | 318ページ/20cm H.C./2色刷 |
(復刻版) zoom 新表紙 |
復刻版 将棋の公式 |
[総合評価] S 難易度:★★★ 〜★★★★ 図面:見開き2〜4枚 内容:(質)S(量)A レイアウト:B 解説:A 読みやすさ:B 中級〜有段向き |
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【著 者】 加藤治郎 | ||||
【出版社】 東京書店 | ||||
発行:2001年1月 | ISBN:4-88574-429-6 | |||
定価:1,500円 | 318ページ/19cm 2色刷 |
【本の内容】 | ||||||||||||||||
◆内容紹介 |
【レビュー】 |
将棋の「公式」の解説書。NHK将棋講座の初心者コーナーで使用したテキストを基礎に、大幅な加筆を行い、詳細な解説を加えたもの。 皆さんは「公式」というと、何を思い浮かべるだろうか。小学校の算数で習った、「三角形の面積の公式」や「円の面積の公式」なら、多くの人が覚えておられるだろう。中学校の「二次方程式の解の公式」になると、記憶が怪しい人が大半だろうか。 ある問題に対して、どの公式が適用できるかが分かれば、途中の難しい理屈を考えずに答えが出せる。それが、一般的な「公式」の解釈と考えて良いだろう。 将棋にもある種の「公式」が存在する。「こういうときには、こう指せば良い」というものだ。それは、将棋というゲームのルールが定義された時点である程度自動的に導き出される他、先人たちが数多くの実戦と研究を経てきたことでブラッシュアップされてきた。 本書は、そういった「将棋でよく使われるテクニックや考え方」を詳細に解説した本である。 数学だと、いわゆる「公式」のように見える等式は、「定義」「原理」「原則」「定理」「公式」などに分かれている。おおむね「問題の真理」に近いかどうかで分類されているが、特に明確な決まりはないようだ。場合によっては、頭に「基本」を付けることで、その等式の重要性を表現することもある。 本書で出てくる「大型公式」「中型公式」も同様に、明確な境目はない。あえて分類すれば、以下のようになる。 大型公式: 将棋を指す時に考え方の根幹となるもの。 中型公式: 形勢判断の材料となるもの。 小型公式: ある局面で部分的に使えるテクニック。駒の手筋や定跡など。(本書ではほとんど解説なし) 注意すべき点は、「大型公式」の方がより将棋の真理に近いものであるが、それゆえに「分かりやすいものではない」ということ。特に即効性の面では「中型公式」「小型公式」の方が高いことも多い。 各章の内容を、図面を挟みながら紹介していこう。 第1章は、駒落ち戦に関する公式。 |
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駒落ち将棋は、さまざまな公式を順に学べる…のだが、プロやアマ高段者に六枚落ちから教わるような環境がなければ、本章は飛ばしてしまっても構わない。(前から順番にすべて読もうとすると、非常に挫折しやすい) 第2章は、平手戦に関する公式。平手に出てくる戦型、囲いなどをサラッと紹介していく。 |
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正直言って、ここは本書の本質とはあまり関係ないので、飛ばしてしまって構わない。ただし、中には現代の棋書ではほとんど出てこないようなものも紹介されているので、雑学や何かのヒントを求めている人には面白いだろう、 第3章は、大型公式。 上級者以上の将棋の根幹には常に流れている「思想」といっても良い。強い人ほど「当たり前」で、なかなか意識に上りにくい。加藤自身も、「死角の公式」に気付いたのは執筆中のことだそうだ。将棋の本質にかかわる考え方であるが、他書ではなかなか書かれておらず、「数の公式」が入門書で触れられるくらい。 |
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第4章は、中型公式。駒の損得、手得、駒の働きなど、主に形勢判断に関する内容を扱う。 |
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なお、「小型公式」は各駒の手筋など。本書では解説しないので、『将棋は歩から』(初版1970、最初のオリジナル本は1949)などを見よ、とのこと。 将棋の「公式」は、さまざまな局面で汎用性が高く、棋力上昇の基礎となる。しかし、「小型公式」「中型公式」を解説した良書はいくつもあるが、「大型公式」にまで踏み込んでいる本はかなり珍しい。本書は棋書史上で貴重な一冊である。 著者は、本書を「初心向き」と評しているが、それを真に受けて初心者や初級者が本書を読んでも、ほとんど意味が分からずに投げ出すだろう。どちらかといえば、ある程度の手筋や定跡(小型公式)を覚えて、すでに実戦を何百局も指し込んでいる人に向いている。 棋力的には、二段〜三段くらいにオススメ。背伸びすれば、2級〜初段くらいでもいけるだろうか。ちなみにわたしは将棋倶楽部24で1級のときに本書を読もうとして、最初の20pくらいで投げ出してました。評価Sにしていますが、だれでもスラスラ読めるわけではないのでご注意ください。 「自分ではよく分かっていなかったけど、あの指し方を言葉にするとこうなるのか」「プロのあの指し方は、こういう考えに基づいていたのか」ということに気付ければ、あなたの棋力にロケットブースターを取り付けることができるだろう。 ※誤字・誤植等(1972年版で確認): p136下段 ×「4三銀-5四歩…」 ○「4二銀-5四歩…」 p280上段 ×「C子さんが及第で…」 ○「D子さんが及第で…」 |