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マイナビ将棋文庫 全戦型対応!囲いの破り方 〜実戦でそのまま使える180手筋〜 |
[総合評価] A 難易度:★★☆ 〜★★★☆ 見開き1問 内容:(質)A(量)A レイアウト:A 解答の裏透け:C 解説:B+ 中級〜上級向き |
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【著 者】 及川拓馬 | ||||
【出版社】 マイナビ | ||||
発行:2014年10月 | ISBN:978-4-8399-5368-3 | |||
定価:1,231円 | 392ページ/16cm |
【本の内容】 | |||||||||||||||
・【コラム】創作の楽しみ |
【レビュー】 |
囲い崩しを次の一手形式で解説した本。「将棋世界」の付録「囲いはこう破れ」の【矢倉編】(2012年4月号)、【美濃編】(2013年4月号)、【穴熊編】(2014年5月号)を加筆・修正、再構成し、新題を多数追加したもの。 基本的に、すべて次の一手形式になっている。各章とも、前半は部分図の問題で、後半には全体図の問題となる。 問題図の下部に、ヒントが60〜80字ある。問題の背景や考え方などが書かれているので、しっかり読んでから取り組もう。 解説は240字程度。すごく詳しいという訳ではないが、正解手の他に失敗手、あまり大したことのない手、正解図からの展開が丁寧に書かれているので、正解してもしっかり読んでおこう。 全体的に相振飛車をかなり意識しているのか、他の囲い崩しの本と比べて「上からの攻め」が多い。なので、本書以外に加えて囲い崩しの本をもう一冊取り組むと、相互補完になって効果が高くなる。すでに一冊済ませている人は、ぜひ本書にも取り組もう。 各章の内容をチャート化してみた。 〔序章〕 囲いの崩し方理想形 仕掛ける前の理想形。ここから駒をぶつけて潰すまでが定跡化されている。序章は次の一手問題ではなく、理想形の紹介のみになる。まずは眺めておこう。 ・矢倉崩し理想形 @〜C ・美濃崩し理想形 @〜B ・穴熊崩し理想形 @〜A ・金無双崩し理想形 @〜B 〔第1章〕 矢倉崩し ├1〜29 部分図 | ├1〜21 上から攻める 中盤型 | └22〜29 横からの攻めも加わった 終盤型 └30〜43 全体図(主に仕掛け〜中盤) 〔第2章〕 美濃崩し ├44〜75 部分図 | ├44〜63 上からの攻め(中盤) | ├64〜70 上からの攻め(終盤) | └71〜75 横からの攻め(終盤) └76〜88 全体図 ├76〜80 相振飛車 ├81〜84 対左美濃 └85〜88 対美濃囲い 〔第3章〕 穴熊崩し ├89〜88119 部分図 | ├89〜97 上からの攻め(中盤) | └98〜119 横などからの攻め(終盤) └120〜127 全体図 〔第4章〕 その他の囲い崩し ├128〜137 舟囲い | ├128〜134 部分図 | └135〜137 全体図 ├138〜147 中住まい | ├138〜142 部分図 | └143〜147 全体図 ├148〜158 金無双 | ├148〜153 部分図 | └154〜158 全体図 ├159〜170 銀冠 | ├159〜169 部分図 | └170 全体図 ├171 金美濃(部分図) ├172〜173 木村美濃(部分図) ├174〜177 角換わりの囲い(部分図) └178〜180 中原囲い ├178 部分図 └179〜180 全体図 裏透けがかなりひどく、答えを隠す工夫もなされていないのは残念だが、問題図の斜め上を左手の親指で隠しながら読めば何とか大丈夫。 内容はかなり良いので、初段を目指す人にはお買い得。ただし、評価Aではあるが、一冊だけでは不十分なので、他の本と組み合わせて、練習用として活用するのが良いと思う。(2018Jun03) |