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マイナビ将棋文庫 将棋・必殺の決め手 |
[総合評価] B 難易度:★★★ 〜★★★☆ 見開き1問 内容:(質)S(量)A レイアウト:A 解答の裏透け:C 解説:B 中級〜上級向き |
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【著 者】 週刊将棋/編 | ||||
【出版社】 マイナビ | ||||
発行:2015年4月 | ISBN:978-4-8399-5547-2 | |||
定価:1,231円 | 400ページ/16cm |
【本の内容】 |
序章 寄せの基本を覚えよう 第1章 初級(4〜10級)クラス 第2章 上級位(1〜3級)クラス 第3章 初段クラス ◆内容紹介 自玉も相手玉もまだ詰まない。次の一手が勝利を決定づける緊迫の一瞬――。そんな局面を切り取り、一冊に集めたのが本書です。 週刊将棋に掲載された次の一手問題から「決め手」を答える185問を厳選しました。特に「いい将棋を勝ち切れなかった」と思うことが多い方にお勧めです。 優勢を勝利に結びつけるためには、必要なものがあります。それが本書で学べる終盤の「勝ち方」です。実戦では長手数の即詰みで勝負が決まることは、実はあまり多くありません。詰みの一歩手前、鋭い寄せや確実な必至が勝負を決めるのです。これらを使いこなせるようになれば、勝率アップは間違いありません。 また、本書は全ての問題に選択肢が用意されており、初心者の方でも手軽に終盤戦のトレーニングができます。一撃必殺の豪打を身に付け、ぜひ実戦に役立ててください。 |
【レビュー】 |
終盤戦の次の一手問題集。週刊将棋に掲載されていた「段・級位認定次の一手」から、1989年4月12日号〜1993年2月24日号の初歩・上級位・初段クラスの問題をまとめたもの。 各問題図には2行程度のヒントと、三択の選択肢がある。また、ページ右上に週刊将棋での正解率表示があり、各クラスで正解率が高い順(≒易しい順)に並んでいる。三択で正解率が50%を切っている問題は、結構な難問(≒別の候補手に引っかかりやすい)だと思ってよい。 解説は、正解に対する応手と、他の選択肢がダメな理由が書いてあり、週刊将棋の掲載時よりは少し詳しい。ただし、自玉の詰み筋などはやや不足気味のままで、やや不十分。 週刊将棋の次の一手の場合、自玉には少し余裕があったり、相手玉にはまだ詰みがない場合は、必至をかける問題が多い。まずは、自玉に詰めろがかかっていないか、相手玉に易しい詰みがないかどうかを確認するのが基本だが、本書の場合は以下の三条件(p5)が設定されている。 @先手玉に詰めろがかかっていない A後手玉に詰みはない B正解手はただ一つ なので、ほとんどは「自玉を気にせずに必至をかける問題」だと思ってよい。当然、「詰めろ逃れの詰めろ」などもない。 また、ヒントに「○○は渡せない」と書いてある場合、現状では自玉は詰めろではないが、○○を渡すと詰んでしまうというものが多い。このとき、○○を捨てる手を候補から外しそうになるが、取られた瞬間に詰みが生じていれば良いので、惑わされないようにしよう。むしろ、○○を捨てる手が正解であることが多い(その読み方はちょっとアレだと思いますが(笑))、ので、よく読んでみよう。 各章の内容を簡単にまとめます。 〔序章〕寄せの基本を覚えよう 15問の例題で、最終盤の基本のキについて解説。ここは必ず読んでおくこと。 ・手数計算のやり方 ・「詰めろ」と「必至」 ・自玉の安全度によっては「確実な2手スキ」でもOK (※このタイプの問題は少ない) ・「攻防の一手」で速度を逆転 ・必至の手筋、囲い崩しの手筋 (※あらかじめ他書で勉強しておきたい) 〔第1章〕初級(4〜10級)クラス ・65問、初歩クラス ・正解率98%〜17% 〔第2章〕上級位(1〜3級)クラス ・65問、上級位クラス ・正解率98%〜25% 〔第3章〕初段クラス ・55問、初段クラス ・正解率96%〜31% 近年の「週将次の一手」と比べると、上級位クラスの難度が高く感じた。初段クラスと大差ないように思う。内容紹介文には「初心者の方でも手軽に終盤戦のトレーニングができます」とあるが、「初段を目指す人(以上)」向けだと思う。(2018Jun10) ※誤字・誤植等(初版第1刷で確認): 第158問 p344解説 「@△2二金は▲2四飛成…」(詰めろをかけて勝つ)→△2二金は▲同飛成で詰みと思われる。 |