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マイナビ将棋BOOKS ゴキゲン中飛車で行こう |
[総合評価] A 難易度:★★★★ 図面:見開き4〜6枚 内容:(質)A(量)A+ レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A- 上級〜有段向き |
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【著 者】 近藤正和 | ||||
【出版社】 マイナビ | ||||
発行:2013年8月 | ISBN:978-4-8399-4788-0 | |||
定価:1,764円(5%税込) | 288ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||
・【コラム】(1)入門のきっかけ (2)三段リーグの敗戦譜 (3)ジャズと出会う (4)JR全線乗車 |
【レビュー】 | |
近藤正和六段の自戦解説集。 近藤は、ゴキゲン中飛車の元祖である。ゴキ中の出だしは近藤以前にもあったが、奇襲的な意味合いが強かった。それを主流戦法にまで引き上げたのは、間違いなく近藤の功績である。 近藤は「中飛車LOVE」で大暴れし、2004年度は一時的に勝率9割を超える活躍で、最終的にも勝率8割強で勝率一位。その一方で、2010年度は一時勝率2割に沈んだ。 本書は、実戦65局+1を題材に、近藤六段の奮闘の歴史を振り返る本である。 タイトルは、「A列車で行こう」のリスペクト。ゲームも有名だが、ジャズの方が由来だと思われる。近藤はジャズと鉄道好きなことがコラムにも書かれており、その両方とゴキゲン中飛車をうまくミックスしたネーミングになっている。 タイトル名は「ゴキゲン中飛車で行こう」であるが、本書の戦型がすべてゴキゲン中飛車だというわけではない。全65局+1の戦型は、以下のようになっている。 ・△ゴキゲン中飛車=24局 ・端歩で調整した▲ゴキゲン中飛車=1局 ・▲中飛車=25局 ・相中飛車=2局 ・その他=14局 本編は、1局あたり2〜5ページで対局者のエピソードや棋譜のポイントを書いていく。形式は特に定まっておらず、面白ネタやユーモア、プチ自虐を中心に展開することもあれば、まじめに将棋の内容を解説しているものもある。クスクス笑ってしまったり、熱戦に見とれてしまったりと、全体的にメリハリがあって楽しい。 「名局集」や「好局集」という位置づけではないので、快勝譜もあれば、一局ごとに工夫を重ねた将棋、一手バッタリで不利に陥ったが粘った将棋、入玉模様の泥仕合、逆転負けを喫した将棋など、本当にさまざまである。 なお、棋譜は巻末にまとめられている。個人的には、先に棋譜を並べてから該当箇所を読んだ方が良いと思う。
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〔創成期〕(1996〜2001) (※右端の○●は近藤の勝敗)
〔大流行期〕(2001〜2005)
〔そして今〕(2006〜2013)
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