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パワーアップシリーズ 新ゴキゲン中飛車戦法 |
[総合評価] B 難易度:★★★☆ 図面:見開き4〜6枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 中級〜有段向き |
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【著 者】 近藤正和 | ||||
【出版社】 日本将棋連盟 | ||||
発行:2003年8月 | ISBN:4-8197-0370-6 | |||
定価:1,300円 | 215ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||||||||||
◆内容紹介(日本将棋連盟HPより) |
【レビュー】 |
新ゴキゲン中飛車の定跡書。 従来、先手番でのゴキゲン中飛車は、初手から▲7六歩△3四歩▲1六歩(わざと後手番の形になる)△8四歩▲5六歩△8五歩▲5八飛の形が常識であり、定跡だった。しかし▲1六歩に△1四歩とあくまで飛車先を保留されると▲5六歩とは突きにくい、という問題があった。 本書では、そのような従来のゴキゲン中飛車を改良し、先手番で無理なく組める新手法を解説。初手から▲5六歩!△3四歩▲5八飛が新手順である。一見、原始中飛車のようだが、従来型ゴキゲン中飛車の考え方をミックスし、プロで十分通用する戦法として確立されている。 わたしはこの指し方に初めて実戦で出会ったとき、従来型と同じになるだろうと甘く考えていた。しかしよくよく考えてみると、▲5六歩△3四歩▲5八飛△8四歩▲5五歩△8五歩▲7六歩△5二金右となった局面で、▲1六歩と突く人はまずいない。ここまで進んでようやく、従来型の急戦が仕掛けられないことに気づいた。と同時に、新ゴキゲン中飛車の優秀性を理解した。 前著の『ゴキゲン中飛車戦法』と同様、本戦法の指し方が詳しく解説されている。ただ、本文中に実戦例が多くなってしまっているのが少し残念。そのページ分を序盤のより深い研究にまわし、あとは参考棋譜をたくさん載せてくれる方が有用的だと思う。 本書の新ゴキゲン中飛車は、中飛車党には当然オススメだが、むしろ居飛車党が必ずチェックしておくべきだと思う。この対策なくして、居飛車は指せない。(2004Jan14) |