「詰めろ逃れの詰めろ」に特化した次の一手問題集の第二弾。
本書は、週刊将棋の「段・級位認定 次の一手」から、「詰めろ逃れの詰めろ」の問題を撰集したもの。今回の出典は、「週刊将棋」1989年8月30日号〜1999年9月8日号で、『将棋・ひと目の攻防』(週刊将棋編,MYCOM,2011.01)の続編となる。
基本的なコンセプトは『将棋・ひと目の攻防』と同じなので、下記に再掲しておく。(一部改変)
●問題の特徴
(1) 相手玉に即詰みはない
(2) 自玉には詰めろがかかっている
(3) 受け一方の手では勝てない
⇒自玉の詰めろを外しながら、敵玉に迫る攻防の一着(手順)が必要
●頻出パターン4+α
(1) 自玉への利きを増やす
(2) 自玉に迫る相手の駒を取る
(3) 相手の持駒を使わせる
(4) 自玉の王手を逆王手にする
(5) 敵の討ちたいところに打って詰み筋を消す
(6) 打歩詰めで凌ぐ
問題部の構成:
(1)出題時のクラス
(2)出題時の正解率
(3)ヒント(50〜60字)
(4)掲載号
(5)選択肢はなし
解答部の構成:
(1)先手玉の詰み筋
(2)正解に対する応手(数パターン)
(3)正解以外では(1〜数パターン)
・初歩クラス・上級位クラス・初段クラスは、掲載時よりも難易度がかなり上がっている。
∵週刊将棋掲載時には選択肢(三択)が示されているが、本書では選択肢はなく、ヒントのみのため。
・二段クラスは、掲載時よりも難易度はやや下がっている。
∵週刊将棋掲載時には1行ヒント(10文字程度)だけだが、本書ではヒントが大幅増量しているため。
∴全体として、難易度はほぼ「二段クラス」のレベルに圧縮されている。 |
違う点は、前作では「初級クラス〜三段クラス」から出題されていたが、本書では「初級クラス〜二段クラス」からの出題となっている。
ただし、三段クラスがなくなったからといって、易しくなったわけではなさそう。わたしの正解率は、前作では79%だったが、本書では72%とむしろ低下している。本書を解くときに目標タイムを1分以内としていた影響もあるが、実感としてはほぼ同じ難易度だと思う。
参考までに、今回も各問のクラス・正解率を一覧にしてみた。○/×は、わたしの正解/不正解である。なお、「正解率」は週刊将棋掲載時の正解率だが、初級・上級位・初段の問題は掲載時には三択だった(と思われる)ので、実際の難易度とは必ずしも一致しない。
前作がちょうど良かった人には、本書もオススメできる。書名どおりの「ひと目」を求めている人は、読む前にちょっと考えて。
※誤字・誤植等(第1版第1刷で確認):
p70 ×「B△6八馬は▲同金で先手勝勢。」 ○「B△6八馬は▲2二龍(角成)で詰み。」
p125 「正解率79%」は、「正解率59%」の誤記?(順番は正解率順で、前問は61%、次問は58%)
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