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脳トレ9手詰 | [総合評価] B 難易度:★★★☆ 〜★★★★ 見開き1問 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解答の裏透け:B 解説:B 中級〜有段向き |
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【著 者】 北浜健介 | ||||
【出版社】 毎日コミュニケーションズ | ||||
発行:2010年7月 | ISBN:978-4-8399-3655-6 | |||
定価:1,260円(5%税込) | 208ページ/18cm |
【本の内容】 |
・詰将棋のルール ・第1番〜第100番 ◆内容紹介 終盤力の養成には、何といっても詰将棋が一番。 本書は9手詰を100題収録。姉妹編『脳トレ7手詰』と同じく、玉位置は全て三段目以内で、駒数が少ない問題ばかり。また、美濃囲いや穴熊、銀冠などの囲いを題材にした問題も数多く、詰将棋の苦手な人でも解く気が起き、実戦に役に立つトレーニングに最適な問題揃いです。 易しいものから、少し難しいものまで、終盤に役立つ詰め手筋を数多く紹介しており、本書を解くことにより、知らないうちに終盤力が身に付いていくことでしょう。 |
【レビュー】 |
9手詰だけの詰将棋問題集。 北浜七段の初著作『脳トレ7手詰』(2009)からほぼ1年ぶりの著作となる。今回は「9手詰限定」で、これは私の知る限りでは棋書史上初めてだと思う。 9手詰といっても、7手詰との難易度の差はあまりない。1手→3手や、3手→5手の難度の上がり方に比べれば、7手→9手の難度上昇は微々たるものだ。むしろ、9手詰では手続き的な手順(たとえば金銀で押していくような平凡な手順)で手数が伸びていることも多い。 コンセプトは前作と同様、 (1)玉は三段目まで、 (2)駒数は少なめ、 (3)なるべく実戦形で、 (4)ときには囲い図式を、 (5)なるべく安定感のある詰め上がり、 という感じ。前作では40問目くらいまでがかなり簡単で物足りなさを感じたが、本書では全体的な難易度は9手詰としては易しめながら、易しすぎる問題は少なく、ちょうどいい「脳トレ」になっている。もちろん、標準的な5手詰をスラスラ解けるくらいの詰め棋力が必要ではあるが。 囲い図式の問題は、以下のとおり。(※囲いが崩れたものも含む) 美濃 = 第34問,第45問 高美濃 = 第11問 ダイヤモンド美濃 = 第95問 銀冠 = 第31問,第39問,第87問 穴熊 = 第29問,第41問,第73問 木村美濃 = 第8問 金無双 = 第23問,第38問 矢倉 = 第28問,第30問,第47問,第50問,第59問,第67問 菊水矢倉 = 第44問 舟囲い = 第27問,第46問,第58問 カニ囲い = 第85問 など。また、9手詰くらいから多く現れる特徴としては、以下のとおり。(※特徴の重複あり) 打歩詰め回避 = 計10問 (※初形で打歩詰になっていないものも含む) 邪魔駒消去 = 計18問 駒取り = 計3問 合駒限定 = 計1問 などの問題がちょこちょこ見られた。 わたしが手こずった問題は次のとおり。(○=解けた、×=解けずに回答を見た) 第25問 × 第30問 ○ 計15分以上考えた 第65問 ○ 「銀尽くし」の趣向問題(本書では珍しい) 第74問 × 第78問 × 第80問 ○ かなり苦戦した 第90問 × 第95問 ○ ダイヤモンド美濃の問題。解いたときの充実感あり。 第97問 × 第98問 × 5手目が…!! 第99問 × 第100問 × 「第90問から難易度を上げた」(まえがき)とあったが、確かに最後の4問は大苦戦だった… 他の問題は、短いときで10秒くらい、長いときで3分くらいの考慮時間で解けた。 前作と同じような構成でありながら、前作よりも楽しめた。また、実戦的な詰め棋力も養いやすいと思う。100問で1260円はやっぱりやや不満な点ではあるが、値段分+αくらいの満足感はあったと思う。(2010Aug10) |