(ポケット版) zoom |
王将ブックス ポケット版 ─居飛車シリーズU 矢倉戦法(上) |
[総合評価] C 難易度: 第1章 ★2.5〜★3.5 第2章 ★3.0〜★4.0 第3章 ★4.0 第4章 ★4.0 図面:見開き2枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 中級〜有段向き |
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【著 者】 芹沢博文 | ||||
【出版社】 北辰堂 | ||||
発行:1966年 | ISBN:4-89287-002-1 0376-66002-7731 |
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定価:380円 | 158ページ/15cm |
(DELUXE版) zoom 将棋タウンさんthx! |
王将ブックスDELUXE版 ―居飛車シリーズ(2) 九段 芹沢博文の 矢倉戦法(上) |
[総合評価] C 難易度: 第1章 ★2.5〜★3.5 第2章 ★3.0〜★4.0 第3章 ★4.0 第4章 ★4.0 図面:見開き2枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 中級〜有段向き |
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【著 者】 芹沢博文 | ||||
【出版社】 北辰堂 | ||||
発行:1986年7月 | ISBN:4-89287-008-0 | |||
定価:800円 | 158ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||
◆内容紹介(はしがきより抜粋) |
【レビュー】 |
矢倉戦法の解説書。 第1章の「三枚矢倉」は、現代では総矢倉のこと。相総矢倉+相四手角で先後同型の戦型で、別名「四十八手組」(24手組ではない)と呼ばれた。当時はこの「相総矢倉」は千日手が結論になっていて、それをいかに打開するかが重要なテーマだった。なお、その後「相総矢倉」は米長新手▲6八銀左によって打開され、現代ではほとんど見かけなくなっている。 序盤の特徴としては、(1)早めに▲2六歩を突く旧式、(2)早めに(17手目)▲1六歩を打診する、(3)△1四歩はすぐ受ける、(4)飛先を互いに突き越す、(5)角は双方「四手角」(7九→4六→3七→2六)、など。本章では「こうするものだと覚えてください」的な解説にとどまっており、現代では駒組みの手順も目指す形も大きく違うので、あまり読む価値はないかもしれない。ただ、「当時はこれが常識的な手順だった」ということを知ることはできる。 第2章は▲スズメ刺し。先手玉が矢倉に入城してからのスズメ刺しである。後手の駒組みがかなりおとなしいので、本章は初段以下が対象だと思う。 スズメ刺しは現代では部分定跡がかなり整備されているが、本章では少し面白い指し方も出てくる。基本変化では、仕掛けから▲2五桂△2四銀▲1三桂成△同銀▲同角成が印象的な手。通常は、▲同角成では▲1四歩△同銀▲同香△同香▲同飛△1一香▲1三歩△同香▲同角成△同桂が定番の部分定跡で、次に▲3五歩or▲3九香などである。本章の手順でずいぶんと簡単にツブれるので、どこかに上手い受け方がありそうな気がするが、実際にこの順で指せるなら分かりやすい。いつか実戦で試してみようと思う。 その他、 <変化T>あらかじめ△2四銀と備えられた場合は▲2五歩△3三銀▲1四歩と攻める <変化U>△2二金と備えられた場合は、3筋に転戦する <変化V>△1四歩と端を受けた場合は、プロ的な進行になる 第3章は銀矢倉戦法。非常にクラシカルな感じがするが、この当時では「目新しい戦法」だった。戦後からしばらくの間は、相居飛車における「5筋不突き」が模索されていた時代で、角交換が行われにくい矢倉にもその流れが波及してきたのである。本章では、先手の5筋不突きに対して、後手が5筋の位を取るという、いわゆる「新旧対抗型」。▲4七銀型から▲5六歩△同歩▲同銀△5五歩▲6七銀と5筋の歩を交換しながら銀矢倉に組む(腰掛銀から組むわけではない)。 第4章は実戦譜2局。1局目は芹沢が大山に快勝した一局で、相総矢倉。第1章の内容を補完するものになっている。2局目は第16期名人戦からの一局で、木村十四世名人曰く「古今の名局」とのこと。互いの理想形を阻もうとする差し手争いは見応えがある。 前半は級位者向けの内容で、後半は有段者向けなので、一冊の中で対象棋力がかなり違っている。また、戦型自体が前時代的な感じなので、純粋な棋力upを求めているなら読む必要はない。しかし、1960年代の矢倉将棋の背景を知りたいなら、一読の価値はあるだろう。(2010Aug07) ※誤植(7版で確認): p46「悪形もものかわ、」 意味が分からなかったが、「何のその」「平気」「果敢」という意味らしい。 p132 ×「△同歩、同銀、3五歩、同銀、同角、3六歩」 ○「△同歩、同銀、3五歩、同銀、同銀、同角、3六歩」 |