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どうぶつしょうぎのほん | [総合評価] B 難易度:★ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)C レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A どうぶつしょうぎの初心者向き |
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【文】 きたおまどか 【絵】 ふじたまいこ | ||||
【出版社】 幻冬舎エデュケーション | ||||
発行:2010年7月 | ISBN:978-4-344-97733-4 | |||
定価:800円(5%税込) | 79ページ/19cm |
【本の内容】 |
(1)はじめてのどうぶつしょうぎ・・・あそびかた=10p (2)あそんでみよう・・・・・はじめからおわりまで=11p (3)じょうずになるには・・・・ちからをあわせよう=15p (4)よみとくふう・・・・・・あいてのこともかんがえて=17p (5)キャッチとトライ・・・・もんだいにチャレンジ=12p ※おまけ・・・・・すぐにあそべるどうぶつしょうぎのひろば/<楽譜>ライオンマーチ ・【コラム】生まれたての新しいしょうぎ/愛情こめて手作りで/こどもの「なんで?」/世界のこどもとお友達/学校でどうぶつしょうぎ ◆内容紹介 2009年に発売して以来、異例の大ヒット商品「どうぶつしょうぎ」の公式ガイドブックがついに登場! どうぶつしょうぎのルール考案者・きたおまどかと、イラストデザイン・ふじたまいこが再び手を取り、こどもたちにわかりやすく、ルールを解説していきます。 基本的なルールと遊び方の説明をはじめ、勝ち方のコツ、練習問題、どうぶつしょうぎ誕生の秘話など読み応えたっぷり。オール読みがなつきなので、小さなお子さまでも読むことができます。 一曲でどうぶつしょうぎのルールや世界がよくわかる歌「らいおんマーチ」も収録。 |
【レビュー】 |
将棋の簡易版ゲーム「どうぶつしょうぎ」の入門書。 どうぶつしょうぎは、LPSA(日本女子プロ将棋協会)の北尾まどかが考案、藤田麻衣子がデザインした簡易版の将棋ゲームで、2008年に発表された。簡素なルールと意外な奥深さで、小学校低学年を中心に人気がある。また、専用の盤駒セットも発売されており、小さな子どもに配慮した細やかな作り(トゲの出ない木材、綺麗な面取り加工、乳児が飲み込まない大きさ、など)と可愛らしさでヒット商品になっている。 本書は、どうぶつしょうぎを解説した初の入門書である。 全体のレイアウトは、全ページフルカラー、横書き、ルビつき。ただし「協力」などやや難しい言葉も出てくるので(「協」は小4で習う漢字)、未就学児には少し難しいかもしれない。 各章の内容について説明していこう。 ●第1章 はじめてのどうぶつしょうぎ あそびかた、基本ルールについて。 ●第2章 あそんでみよう 超簡単な実戦例を追いながら、王手や詰みを解説。 なお、この章では単騎の王手に対して相手玉(ライオン)が逃げるシーンがある。少し将棋の心得がある人なら「王手をかけた駒を取ればいいじゃん。どんだけココセなんだ」と思うかもしれない。しかし、初心者の場合、王手をかけられて反射的に玉(ライオン)が逃げることが非常に多い(わが娘(5歳)がそうです)。この点、著者はよく見ていると思う。 ●第3章 じょうずになるには ・好形について ・じゅうしょのはなし(棋譜の読み方) ・2匹で協力する ・ひもをつける(守り) ・駒落ちの提案(上手のひよこを落として、下手の持ち駒にしておく) ・別の遊び方(ライオン以外すべて持駒でスタート。持駒を使う練習) ●第4章 よみとくふう 実戦例を追いながら、駒得、駒の相対価値、3手の読みなどを学ぶ。 1.なかまをふやそう(仲間を増やそう) 2.とってとられて(取って取られて) 3.とれるときはとる(取れるときは取る) 4.かずのせめ(数の攻め) 5.どうぶつのつよさ〔駒の価値〕 6.ねらいをもつ 7.(相手の)ねらいをよむ 8.ぞうをおとりに〔捨て駒〕 9.トライをねらう〔入玉勝ち〕 なお、どうぶつしょうぎには「トライルール」があり、敵陣1段目にライオンが入ったときにすぐに取られなければ、それで勝ちになる。これは結構重要なルールで、捨て駒を連発してトライする手筋もあって奥深い。 ●第5章 キャッチとトライ 練習問題 計10問。難易度は5段階で表示されている。 キャッチ(詰将棋)=6問 (1手詰、3手詰) トライ(入玉)=4問 (トライを決める次の一手、(10)だけ5手の読みが必要) ●おまけ ・紙の盤 巻末の見開きを広げて使う。折込ではないので若干使いづらい。コンビニでカラーコピーを取った方がいいかも? ・紙の駒 表紙カバーを切り取って使う。カラーコピーを使うべし(笑) ・「ライオンマーチ」の楽譜、歌詞 演奏はYouTubeで見つかりました。⇒ 「ライオンマーチ」を弾いてみた(YouTube) 歌詞は7番まで。駒の動きと簡単なゲーム性が分かるようになっている。 勝っても負けても、大人も子どももニコニコできるどうぶつしょうぎ。特に子どもに将棋を教えようと思っている人は、いきなり本将棋は結構リスクが高いので、まずはどうぶつしょうぎを導入してみては?(2010Aug14) |