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マイコミ将棋BOOKS 必ず役立つプロの常識 |
[総合評価] A 難易度:★★★☆ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 上級〜有段向き |
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【著 者】 阿久津主税 | ||||
【出版社】 毎日コミュニケーションズ | ||||
発行:2009年12月 | ISBN:978-4-8399-3417-0 | |||
定価:1,470円(5%税込) | 224ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||
◆内容紹介 |
【レビュー】 |
さまざまな将棋の疑問に回答する本。 本書では、阿久津七段が自称アマ初段の編集部員と対話形式で、さまざまな将棋の疑問に答えていく。 ・編集者の質問に阿久津が答える ・阿久津から編集者に質問が飛ぶことも(「ここではどう指しますか?」など) コンセプトとしては『いまさら聞けない将棋Q&A』(畠山成幸,創元社,2006)に似ているが、『いまさら〜』が幅広い棋力の読者からの質問に答える形を採っていたのに対し、本書は一応「アマ初段クラス」と対象棋力が絞られている。 メインの第1章・第2章の内容は以下の通り。 基本的には、読みそのものよりも、判断が難しいとき(突き捨てのタイミングなど)に考え方の指針となるような内容が多い。『いまさら〜』と違って、見開き完結にはこだわっていないので、第1章(1)のように必要とあらば多くのページを割いていることもある。 第2章だけは図面下に1行追記があることも。 第3章の次の一手は阿久津の実戦から。各問約250字の詳しいヒントで、問題図の背景・考え方を述べる。解説は1問あたりたっぷり3pで、考え方重視。正確な読みができれば満点だが、筋の良い手が正解なので、本書の対象棋力(初段〜三段くらい)なら「ここはこう指すところでしょう」というのが分かれば十分。単なる「ページ埋め」かと思っていたが、ちゃんとした応用講座になっている。 第4章の実戦編も阿久津の実戦から。基本的にテーマ局面(中盤)からのスタートで、総譜なし。この章だけは対話形式ではない。最後の対久保戦(朝日杯決勝)だけは初手から投了までの自戦記。優勝のご褒美? この講座が週刊将棋に掲載されたとき、内容はとても良かったがさほど量が多くなかったので(見開き2pで2回分の掲載だったはず)、単行本になると聞いて「ページの足りない分は次の一手と自戦記で埋めるんだろうなぁ…」と思っていたため、正直あまり期待していなかった。実際その通り(次の一手と自戦記が追加)だったのだが(笑)、ちゃんと本全体のテーマに沿った内容に仕上がっていて、読み応えがあった。 阿久津七段、すみませんでした。次は期待してお待ちしております。初段〜二段くらいの人にはオススメ。(2010May02) ※誤植・誤字(第1版で確認): p82 第3図 ▲3七桂を追加する p216 ×「自然な応酬言える」 ○「自然な応酬と言える」 |