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■1手の違いを見抜く202問

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1手の違いを見抜く202問
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将棋パワーアップシリーズ
1手の違いを見抜く202問
[総合評価] B

難易度:★★★

見開き2問
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
解答の裏透け:A
解説:B
上級〜有段向き

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【著 者】 増田裕司
【出版社】 創元社
発行:2010年1月 ISBN:978-4-422-75123-8
定価:1,050円(5%税込) 208ページ/18cm


【本の内容】
・次の一手=202問

◆内容紹介
これまでになかった、まったく新しいスタイルの、次の一手形式の問題集。本書は、1〜2手のわずかな形の違いによって、正解手が大きく変わる問題を202問掲載。通常の次の一手問題と同じように、そのまま解くほかに、微差によって、指す手がどのように変わるかを見抜いて、次の一手を考えるユニークな形式をとっている。深く読む訓練ができ、正しい応手を身につけることができる。


【レビュー】
わずかな違いで最善手が変わる問題を集めた次の一手問題集。

将棋は、ほんのわずかな違いで優劣が大きく変わることがある。「あと一歩あればいいのに」という経験は皆さんお持ちだろうし、有段者以上なら端歩の突き合いの有無なども気になるだろう。そこが将棋の難しいところであり、面白いところでもある。

本書に収録された問題は、上段・下段の2問一組で、わずかに違いがある。本書のタイトルは「1手の違い〜」であるが、3ヶ所くらい違う場合もある。ヒントは各問2行(30〜45字程度)で、下段問題のヒントには上段問題との駒配置の違いが符号で添えてある。

出題範囲はさまざまな戦型にわたる。概ね問題番号が若い方が序盤、ページをめくるにつれて中盤→中終盤→終盤→実戦詰将棋と進んでいく。大部分の問題(特に150問くらいまで)は定跡からの出題なので、問題番号と戦型の対応を一覧にしてみた。

 問題番号と戦型の対応表(Excelファイル)


さて、本書が向いている人について。それぞれの問題の難易度は初段程度で、それほど難しいわけではない(終盤問題は少し難しいものもある)。では本書の対象棋力が初段かというと、私は違うと思う。

結論を先に言うと、本書の対象は「三段以上の定跡通orオールラウンダー」である。前述のように、戦型の出題範囲は居飛車・振飛車の非常に多岐にわたっており、一つ一つの問題は難しくなくても、全体を通せばとても幅広い知識が必要である。各問題の解説はさほど詳しくはないので、違いが分からなかった人にとっては「この問題集って何なの?」という感じだろう。

しかし、定跡通の人が自分の知識範囲を確認するにはかなり適した問題集だと思う。特に、「ああ、あの変化か」と分かったのに正解できなかった問題は、すぐに手持ちの定跡書をチェックすべし。ただし、定跡通でも振飛車一本の人にとってはコストパフォーマンスが悪いことに注意。

思ったよりも読む人を選ぶ本だなぁ」というのが正直な感想。少なくとも私は面白い本だと思っているのだが。(2010Apr29)

※ちなみに解答の裏透け対策は完璧。
※対応表を利用して、間違えた問題にチェックをすると、自分が苦手な(定跡の知識がうろ覚えな)戦型が分かると思います。



【関連書籍】

[ジャンル] 
次の一手問題集(定跡習得系)
[シリーズ] 
将棋パワーアップシリーズ
[著者] 
増田裕司
[発行年] 
2010年

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