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プロの将棋シリーズ(1) 鈴木流 豪快中飛車の極意 |
[総合評価] A 難易度:★★★☆ 見開き4〜5枚 内容:(質)A(量)A レイアウト:B 読みやすさ:A 中級〜有段向き |
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【著 者】 鈴木大介 | ||||
【出版社】 毎日コミュニケーションズ | ||||
発行:2003年2月 | ISBN:4-8399-0938-5 | |||
定価:1,300円 | 238ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||||||||
◆内容紹介(MYCOMホームページより) |
【レビュー】 |
ゴキゲン中飛車の定跡書。週刊将棋に連載された講座を、加筆修正して単行本化したもの。 ゴキゲン中飛車の専門書としては、すでに『ゴキゲン中飛車戦法』(近藤正和,日本将棋連盟,2000)がある。しかし、厳密には近藤流と鈴木流は違うのだそうだ。もともと「ゴキゲン中飛車」とは、この戦法を連採していた近藤五段がいつもニコニコしているところからついた名前である。だから「ゴキゲン中飛車」=「近藤流の中飛車」なのだ。実際、近藤流と鈴木流はどのあたりが違うのか、わたしにはよく分からない。しかし少なくとも本書では「鈴木大介自身の研究やオススメ手順」はしっかり書かれていると感じた。 とはいっても、居飛車急戦に対する変化はほぼ同じである。むしろ、本書の方がやや突っ込んだ解説がされている。また、有力な指し手が複数あるときは、より"豪快な"変化を勧めているところが良い。全体的にすっきり読みやすく、勇気の湧いてくる解説ぶりが楽しい。 一方で、持久戦のときは居飛車側の指し手がやや甘い気がする。また、先後(玉側の端歩突きの有無)で結論がガラリと変わる超急戦の変化についてはあまり触れられてなく、研究熱心な高段者にはちょっと物足りない。 近藤本や『島ノート 振り飛車編』(島朗,講談社,2002)と比較してみるとなかなか面白い。(2003Mar25) |