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Perfect Series 康光流現代矢倉T 先手3七銀戦法 |
[総合評価] B 難易度:★★★★☆ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 上級〜有段向き |
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【著 者】 佐藤康光 | ||||
【出版社】 日本将棋連盟 | ||||
発行:1997年4月 | ISBN:4-8197-0331-5 | |||
定価:1,200円 | 223ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||
◆内容紹介 |
【レビュー】 | ||||||||||
矢倉▲3七銀戦法の解説書。 矢倉がよく指されるようになってから、すでに50年以上が経過している。何千局もの実戦を経てシステム化が進み、2013年2月現在、プロの矢倉はほとんど「▲4六銀-3七桂型」に集約された。その中でもよく指されているのが、△9五歩型での「91手組」や、△8五歩〜△4二銀型での「銀損定跡」だが、これらの戦型は終盤近くまで一気に進む。そこまで研究が進んでいるのである。 ところで、そこに至るまでにはいろいろな試行錯誤があった。▲4六銀と上がれるかどうかもその一つ。このころの矢倉の考え方は、「▲4六銀-3七桂型を作られたら後手が不満」「後手は、▲4六銀-3七桂型を作らせている間に先にポイントを挙げる」という思想が大勢を占めていたと思う。 本書でも、▲4六銀に△4五歩と銀を追い返す将棋は多く、▲4六銀と上がった12局のうち6局で銀を追い返している。この時代の攻防を経て、現在のような「▲4六銀vs△専守防衛」という構図が生まれてきた。 本書は、矢倉▲3七銀戦法において、現代の▲4六銀-3七桂型の前夜の戦いを、佐藤の実戦20局をベースに解説した本である。 各章の内容を、テーマ図を添えて紹介していこう。
これらの戦型を、佐藤康光の実戦に沿って解説していく。自戦記とはちょっと違っていて、情景や心象説明はほとんどなく、どちらにも肩入れすることはない。そのためか、本文中では序盤と最終盤の解説は省かれているし、対局者名も分からなくなっている。個人的には、先に巻末の参考棋譜を並べておいた方が理解しやすいと思う。 |