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村山聖名局譜 | [総合評価] A 難易度:★★★★☆ 図面:見開き4〜5枚 内容:(質)A(量)C レイアウト:B 解説:S 有段者向き |
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【著 者】 羽生善治 先崎学 | ||||
【出版社】 日本将棋連盟 | ||||
発行:2000年1月 | ISBN:4-8197-0211-4 | |||
定価:2,000円 | 215ページ/22cm/H.C. |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||
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【レビュー】 |
1998年に亡くなった村山八段(逝去後、贈九段)の棋譜を、羽生と先崎が検討するという異色の実戦集。故村山九段については、「聖の青春」(大崎善生)や「聖」(山本おさむ)を参照のこと。 この本の評価はとても悩ましい。羽生・先崎の棋譜検討はほとんど会話形式で、まさに目の前の盤で検討しているようなリアルさがある。トッププロが感想戦でどんなことを話しているかを、かなり生々しく味わうことができる。プロの読みや大局観を記した本では「読みの技法」が有名だが、臨場感という点では本書が優る。このような、プロの声を正解も間違いもそのまま載せた書籍というのはあまり見たことがなく、レア度も高い。 一方で、棋士独特のスラングが飛び交い(これは長所でもあるのだが)、慣れていない人には読みにくい。また、タイトルが"村山聖名局譜"なのに、本文中では村山不在状態である。せっかくいろいろな村山データが揃っているのに、肝心の棋譜が少なすぎるというのも痛い。 迷った末にAという評価にしたが、これはかなり好意的に見た場合。批判的に見たらDかもしれない。わたしはいい本だと思ったら迷わず買うタイプだが、本書は新本では買わずに図書館で借りたくらいだから、やはり無条件のAとは言えないと思う。(2003Jun06) |