(オリジナル版) zoom |
5手詰ハンドブック | [総合評価] A 難易度:★★★ 見開き4問 内容:(質)A(量)A レイアウト:A 解答の裏透け:A 解説:B 中級〜向き |
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【著 者】 浦野真彦 | ||||
【出版社】 日本将棋連盟 | ||||
発行:2004年2月 | ISBN:4-8197-0166-5 | |||
定価:1,000円 | 207ページ/18cm |
(浅川書房版) zoom |
【新版】5手詰ハンドブック | |||
【著 者】 浦野真彦 | ||||
【出版社】 浅川書房 | ||||
発行:2012年3月 | ISBN:978-4-86137-035-9 | |||
定価:1,260円(5%税込) | ページ/18cm |
【本の内容】 |
・詰将棋のルールについて=3p ・5手詰=200問 ◆内容紹介(日本将棋連盟HPより) 詰将棋作家としても名高い著者による5手詰め作品集。初級者の棋力養成から上級者のトレーニングまで、あらゆる棋力の人にお勧めできる。すべての問題を盤上・持駒あわせて駒数が10枚以内にするなど、見た目にも工夫がなされています。 ◆内容紹介(新版) 詰みの基本となる「3手一組」を覚えたら、次は応用へ進もう。 詰将棋の基本は3手一組。『【新版】3手詰ハンドブック』ではこの詰手筋をたくさん取り上げました。今回は5手詰ですから、「3手一組にプラスアルファ」が基本の構成です。言い換えれば、「いかに詰手筋を応用するか」がテーマとも言えます。 将棋がだんだん上達してくると、お互いに詰み筋を警戒するため、突然3手詰が現れることはそうそうありません。そこで、「どの詰手筋を使うか」「詰手筋を使うためにどう誘導するか」という考え方が重要になってきます。基本の「3手の読み」から、より実戦的・本格的なレベルへ進んでいきます。本書はこうした考え方を養うための入門編として最適の一冊です。 本書は『5手詰ハンドブック』(日本将棋連盟刊、2004年)を大幅に修正したものです。修正箇所は次の通りです。 ・半数近くの問題を差し替えまたは修正 ・200題の解説はすべて書き下ろし |
【レビュー】 |
〔※オリジナル版のレビューです〕 5手詰限定の詰将棋問題集。「将棋世界」誌の付録に収録されたものを中心に、200題を撰集。 まずは著者の浦野七段のインタビューをご覧いただこう。 ・「5手詰ハンドブック」発売記念 浦野真彦七段インタビュー ちょっと長いので読むのが大変だったと思う(笑)。インタビューから感じられるのは、「丁寧に作りこんだ」ということ。実際に解いてみて、それは大いに感じた。 特に良かったのは問題と解答のレイアウト。見開き2pに4問を配置し、次の見開きに解答が載っているので、詰将棋本にありがちな「裏透け」が気にならない(裏透け自体はある)。 また、5手詰200問も「丁寧に作っているなぁ」と思う。駒の総数は10枚以内でこじんまりとしていて、いかにも解きたくなる。しかし、実際にトライしてみると、王手の候補が結構多いので、しっかり読み切る必要がある。もちろん5手と短いので、筋が見えてしまえば一瞬で解けるが、見えないときは結構考えさせられる。この辺のバランスが絶妙で、「短い手数をきっちり読み切る気持ち良さ」を堪能できる。 5手詰の難度を10段階に分けるとすると、本書の詰将棋はLv.3〜Lv.8くらい。ヒント文は全くないが、手数が分かっているのでそれがヒントになる。易しすぎず、難しすぎず。ちょうど良い加減で、骨のある問題が揃っている。金がソッポに行ったり、飛車をブン回すような筋は少なく、ほとんどがオーソドックスな手筋で構成されていて、『なめたらあかん三手五手』(2003)とは対極に位置する詰将棋問題集である。 構成・バランスともに申し分なかったが、一つだけ残念なことが。解説は思ったよりも詳しくない。王手の候補が多いのに解説が少ないので、解けなかった人にはちょっと厳しいと思う。スペースはあるので、倍くらいの解説がほしかった。次回作ではぜひご検討を。(2004Jun19) |