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逆転のテクニック 上巻 悪い将棋はこう指せ! |
[総合評価] B 難易度:★★★☆ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:B 解説:A 読みやすさ:B 上級〜有段向き |
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【著 者】 米長邦雄 | ||||
【出版社】 日本将棋連盟 | ||||
発行:1984年7月 | ISBN:4-8197-0111-8 | |||
定価:680円 | 222ページ/18cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||
◆内容紹介(まえがきより抜粋) |
【レビュー】 |
逆転術について書かれた本。「将棋世界」誌に連載された“米長流終盤逆転術”に手を加えてまとめたもの。 米長将棋の魅力は中終盤の逆転にある。自他ともに認める序盤下手(?)なので、序盤からリードを拡大して寄り切りで勝つということはほとんどなく、やや非勢の局面から力を発揮するのが持ち味である。本書は、そういう米長将棋に鋭く迫り、逆転を目指す心得が綴られている。 第1章では、「逆転するためにはとにかく終盤力の強さが必要。そのためには詰将棋を解きまくるのが一番だ。」という主張。逆転術そのものにはあまり関係がないが、終盤力の高さが逆転力のベースになってくるのは確かだ。あとからでもいいので読んでおきたい。 メインとなるのは第2章。「相手に悪手を指してもらわなければ逆転できない」というのが基本スタンスで、そのために複雑な局面に持ち込んだり、自分が悪手を指さないようにガマンしたり、逆転に持ち込むための仕掛けをしておいたりと、様々なテクニックが紹介されている。これらは人によっては目からウロコだと思う。逆転を狙いたい人はもちろんのこと、相手がどのような考えで逆転を狙ってくるかも分かるので、逆転負けが多い人も一読の価値ありだ。 第3章は米長玉の特性を解説。米長玉(9八玉型)は現在では終盤の定跡となっているし、序盤でも角筋を避けるために頻繁に用いられるようになっているが、もともとは異形と思われていた。わたしも級位者の頃は、なんとなく米長玉を使っていたが、その思想や効果については理解していなかったと思う。本章では、そのような米長玉の長所と短所が述べられ、「逆転を呼びやすい手」として描かれている。 全体的に、大きな図面が使われているが、本は小さめなので本文のスペースが狭くなり、少し読みにくくなっているのは惜しい。内容的には充実しているので、米長引退記念の出版ラッシュで復刻されるかも…?(もうピークは過ぎたか?)(2004Aug25) |