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盤上の攻防 将棋 王位戦五十年 | [総合評価] C 難易度:− 図面:ほとんどなし 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:ほとんどなし 読みやすさ:A 王位戦を懐古したい人向き |
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【著 者】 高林譲司 | ||||
【出版社】 中日新聞社 | ||||
発行:2010年8月 | ISBN:978-4-8062-0614-9 | |||
定価:1,600円(5%税込) | 198ページ/19cm/H.C. |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||
・口絵(カラー写真) ・プロローグ「祝賀会」
・棋士系統図=4p |
【レビュー】 | |
王位戦の歴史をたどった本。本編(p5〜p164)は、2010年4月〜7月に中日新聞夕刊の文化面に掲載された「盤上の攻防
将棋王位戦五十年」を加筆修正したもの。歴代王位が語る「わたしと王位戦」は書き下ろしとみられる。 王位戦は、現在の七大タイトル戦の中では4番目に歴史が長い棋戦である。主催紙は三社連合(北海道新聞社、中日新聞社(中日新聞・東京新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井)、西日本新聞社)で、現在は神戸新聞と徳島新聞も加わっている。なお、中日新聞は名古屋圏では圧倒的なシェア(わたしの住んでいた地域では8割ほど)があり、この地方の人には王位戦は馴染み深い棋戦である。毎年7月〜8月ごろの暑い盛りに七番勝負が開催される。 前身の「早指し王位戦」からタイトル戦に昇格したのが1960年。今年(2010年)で50周年の節目を迎えることになった。それを記念して発行されたのが本書であり、王位戦関連の書籍は初めての出版となる。(※DVDは2009年に発行されている。『王位戦七番勝負 −道新記録映像から−』) あなたにとっての思い出深い「王位」は誰だろうか?わたしの場合、将棋に興味を持った中学〜高校のころ、高橋・谷川・森が中日新聞の観戦記に載っていた。森のヒネリ飛車を真似て指し、陣形が出来上がったところで「できた!ヒネリ飛車かっこいい」などと言っていた(もちろん後手を持っていた友人も、陣形が出来上がることが第一目的である(笑))。その後の指し方などはまるで分からないレベルだったが、もっとも純粋に将棋を楽しんでいた頃かもしれない。よって、わたしにとっての王位は「森王位」である。(森王位は一期だけなので、こういう人はかなりレアだと思う……) というわけで、(知っている範囲で)ノスタルジーに浸れそうな期待を持ちながら、本書を開いたのだが……期待は裏切られた。悪い方に。 全体的には、各期の挑決から七番勝負の流れに沿って、時代背景、他の棋戦の動向、タイトル戦に登場した棋士の紹介、そして対局の概説をしていく…のだが、「○○が素晴らしい手で制した。」的な表現が多数あっても、棋譜は皆無、図面もほとんどないので、全然伝わってこないのである。 内容紹介に「名局、名場面を再現しながら」と書いてあったので、棋譜や観戦記の掲載もあると思っていたのだが…まったくなかった。orz 局面図の掲載もわずか1枚で、p88にあるのみ。 以下は「これは棋譜or局面図を載せてほしかった」と思った箇所のリストの抜粋。
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