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ワニの本 ベストセラーズ ボクは陽気な負け犬 強いばかりが人生じゃない |
[総合評価] C 負けが多くなり始めた 年配の将棋ファン向き? |
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【著 者】 木村義徳 | ||||
【出版社】 KKベストセラーズ | ||||
発行:1983年2月 | ISBN:4-584-00493-5 | |||
定価:690円 | 244ページ/18cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
◆内容紹介(裏表紙より) |
【レビュー】 |
木村八段のエッセイ集。 木村八段は、木村義雄十四世名人の息子で、史上初の親子棋士。B2が定位置の中堅棋士だった木村七段(当時)が、1978〜1979年に突然B1→A級と昇級し、ちょっとした話題を集めた。彼は自分自身でその理由を分析し、A級昇級ついでに(?)『弱いのが強いのに勝つ法』(1980)として一冊にまとめた。この本には、プレッシャーを抑え自分の力をできるだけ100%に近づける精神的な方法と、自分より勝る相手と互角に戦うための盤上の作戦などが書かれている。部分的に微妙な理論も混じっているが、全体的には面白い本だった。 ところが、1980〜1981年には、順位戦18連敗を含む1勝20敗という散々な成績で、B1→B2と連続降級して定位置に戻ってしまった(木村義徳八段の順位戦成績(順位戦データベース内))。この状況を自分自身で分析し、エッセイとしてまとめたのが本書である。 今年(2004年)は「負け犬女」という言葉がプチ流行した。「30代・未婚・子なしの女性」のことらしいが、本書の「負け犬」は文字通り「負けが込んでしまった棋士」の話である(とはいえ、B2なら全体の中では上位だが…)。「負け犬にだって言い分はあるし、たかが将棋、勝ちに執着するばかりの人生じゃ大変じゃないか。勝ち組になれなかったのだから、ある程度あきらめの境地に至ったほうが精神的にも楽だよ」というのが本書の基本的姿勢。なにかホントにダメなようだが、本人や他棋士のエピソードを交えて語られているので、文章自体はなかなか面白く読める。特に、何度も出てくる西村七段(当時)やほかの中堅棋士の「率直発言(失言)」から将棋界の一部を垣間見ることができる。 なお、木村八段は棋士としての諦めの決断も早く(?)、1990年度にB2で降級点を取った時点で引退している。 内容的にはBでもいいかと思ったんですが、「1回読んだらもういいや」と思ったのでCにしました。(2004Sep17) |