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米長の将棋 2 居飛車対振飛車 下 |
[総合評価] A 難易度:★★★☆ 図面:見開き3〜4枚 内容:(質)A(量)A レイアウト:A 解説:A 読みやすさ: 上級〜有段者向き |
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【著 者】 米長邦雄 | ||||
【出版社】 平凡社 | ||||
発行:1980年8月 | ISBN:4-582-61402-7 2376-614020-7600 |
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定価:1,300円 | 293ページ/19cm/H.C. |
(文庫版) |
MYCOM将棋文庫DX 米長の将棋 2 居飛車対振飛車(下) |
[総合評価] A 難易度:★★★☆ 図面:見開き3〜4枚 内容:(質)A(量)A レイアウト:A 解説:A 読みやすさ: 上級〜有段者向き |
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【著 者】 米長邦雄 | ||||
【出版社】 毎日コミュニケーションズ | ||||
発行:2004年2月 | ISBN:4-8399-1395-1 | |||
定価:800円 | 304ページ/16cm |
【本の内容】 | ||||||||||||
付・引用局全譜(31局)=17p |
【レビュー】 |
米長全盛期の自戦記集・第2弾。解説は中終盤メインで、総譜は巻末にまとめて掲載されている。主な掲載局は1978年〜79年のもので、第1巻とほぼ同時期。第1巻に比べて、少しだけ難易度が下がっている。 本書で扱われている戦型は、対中飛車・玉頭位取り・8八玉型左美濃などで、これは1巻とほぼ同じ。違うのは、本書の方がより最終盤をメインに解説しているところ。ねじり合いの腕力よりも、スッキリまとめる収束力を問うテーマが多い。また、本書では1巻で見られなかった居飛穴や矢倉引き角戦法が数局登場する。 第1章では、ほぼ勝ち将棋になったところから実際に勝ち切るところまでの流れを、第2章では勝勢から収束までを、第3章では穴熊での戦い方を中心に解説されている。なお、投了図以降の解説もちゃんとある。(当たり前?) 実戦の終盤を丁寧に解説していて、参考になる記述がたくさんある。「端歩を突かれた一手スキは、ほとんどの場合必至に等しいのである。」(47p)「やさしい手順をしっかりと見につけることが大切で、繰り返し盤に並べて味わっていただきたい。」(114p)…などなど。また、上部から押さえ込んでいく寄せが多いので、アマにとっては感覚的に掴みやすいと思う。 3章の穴熊編では、いわゆる“パンツ脱ぎ穴熊”(玉側の桂を跳ねる)がやたらと出てくるが、たいがい失敗に終わっている。穴熊戦の見本であると同時に、やってはいけない手の見本市にもなっている。当時の米長は居飛穴に対しては否定的だったようで、「穴熊戦法は上級者向けの戦法である。」(195p)「居飛車穴熊はどうも優れた戦法ではない。」(206p)などは時代を感じさせる。 個人的には「1巻の方が読み応えがあったかな〜」と感じたが、2巻も分かりやすくて良かった。むしろ、できれば2巻から読み始めた方が良いと思う。(2004Feb20) |