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一手決断☆将棋戦法(9) 米長流 速攻居飛車 |
[総合評価] C 難易度:★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:B 中級〜上級向き |
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【著 者】 米長邦雄 | ||||
【出版社】 筑摩書房 | ||||
発行:1986年8月 | ISBN:4-480-67009-2 | |||
定価:780円 | 206ページ/18cm |
【本の内容】 | ||||||||||||
◆内容紹介(表紙より) |
【レビュー】 |
相掛かり腰掛銀と矢倉の解説書。基本的に、第24期十段戦(米長vs中原)を中心とした実戦解説形式。 目次だけみると2種類に見えるが、実際は4つの戦法を扱っている。 第1章は相掛かり。相腰掛銀に出る前に▲4五銀と出る(左図)のが新工夫の一手。一見速攻を狙っているようだが、△6五歩と形を崩させて後手の無理攻めを誘うのが真の狙い。最近流行したUFO銀と似た思想である。また、第1章後半では相腰掛銀(右図)を解説。 第2章は矢倉。矢倉▲3七桂からの進展で、左図で▲7六金と上がる(左下図)のが新構想。このあと、先手は6筋7筋の位を奪回されてぺしゃんこにされるが、そこで穴熊に組み替えて位の圧力を緩和する、という遠大な構想だ。また、第3章の2局目では米長流急戦矢倉(右下図)を解説。 タイトルでは「速攻」となっているが、メインの相掛かり▲4五銀と矢倉▲7六金は「早めにちょっかいを出し、相手の駒組みを制限したあと受けに回る」という感じ。本書が狙っている層(アマ初段前後)が指しこなすのはかなり難しいと思う。構想そのものより米長の中終盤が際立っているため、あまり真似しない方がいいだろう。 本書では定跡を期待するより、「感覚を読み取る」つもりで読み進めるべし。(2005Jul09) |