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一手決断☆将棋戦法(7) 中原流 最強左美濃 |
[総合評価] C 難易度:★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:B 中級〜上級向き |
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【著 者】 中原誠 | ||||
【出版社】 筑摩書房 | ||||
発行:1986年6月 | ISBN:4-480-67007-6 | |||
定価:780円 | 206ページ/18cm |
【本の内容】 | ||||||||||||
◆内容紹介(表紙より) |
【レビュー】 |
振飛車vs四枚美濃の解説書。実戦譜をベースに解説。 第1章は△四間飛車vs▲四枚美濃。左下図から▲6六歩△同歩▲5七金が展開の一例となる。『羽生の頭脳(4) 居飛車穴熊と左美濃』(羽生善治,日本将棋連盟,1992)などにも似たような形が載っており、当時の定跡だったわけだが、現在は四間飛車側が△7一玉型に構えるなどかなり工夫されているので、よほど条件がそろわないとこの形にはならない。 第2章は▲三間飛車vs△四枚美濃。右上図が一例。これも現在では三間側が4五の位を強く意識しているので、なかなかこうなることは少ない。また、第2章にはなぜか“対△三間飛車の▲3七桂急戦”と“△5三銀型中飛車vs▲四枚美濃”も載っている。目次には何も書いてないので注意が必要。 戦型の古さはともかく、解説は丁寧で分かりやすいと思う。ただ、題材がちょっと…。タイトルが“最強左美濃”なのに「四枚美濃の堅さを生かして快勝」した将棋はなく、「苦しい将棋を粘って粘って逆転勝ち、左美濃は跡形も無し」という展開ばかり。トッププロの棋譜が題材なのでなかなか一方的にならないのは分かるが、これではあまり四枚美濃をやりたいと思えないなぁ。 四枚美濃の玉頭戦や粘り腰を見たい人は、一読の価値があるかも。(2005Aug10) |